2018年6月、久々の再訪を果たしました。馴染みの顔は13年分の歳を重ねていましたが、川は昔の記憶のままに流れ、美しく強い鱒たちが僕らを迎えてくれました。
対象魚はヨーロッパ原産のブラウントラウト(Bachforelle)を中心に、北米からの移入種ブルック(Saibling)、レインボウ(Regenbogenforelle)。数は少ないものの清流のシンボルとして愛されるグレイリング(Aesche)が泳ぐ川も。
平均サイズは川によって異なりますが、総じて尺前後。ヤマメやイワナを釣るような小渓で、重量感のあるやりとりを楽しめるのは爽快です。
冬に積もった豊富な雪を水源に、峰々の間を縫って無数の川が流れだします。時には穏やかに、時には荒々しく流れる水。その豊かな表情を眺めながら野山を歩くのはこのうえなく楽しい時間です。
そしてもちろん、鱒釣り。晴れの日、美しい森の中、或いはそそり立つ雄大な嶺を背景に竿を振るのはフライフィッシャー冥利につきます。
大半のフィールドは活餌禁止、C&Rのみ。またドイツ語文化圏の影響か、ル−ルを破って密漁をする輩は皆無。スポ−ツフィッシャ−にとってパラダイスと呼べる環境です。
山岳国家オーストリア。中でも西部のザルツブルク州、チロル州は沢山の高山が峰を連ねる険しい地域です。平野部が多い旧大陸ヨ−ロッパにありながら、アルプスの峻険な山々は日本人の心に懐かしくも映ります。
2002年5月の初訪問、谷間に点在する村々をつなぐ街道では春を祝うお祭りの騎馬行列に行き交いました。