全般に水の少なかった今年、ゴギの釣りは満喫できた一方、アメゴについてはまともに釣った覚えがありませんでした。
久方振りに降った雨のおかげか、この日は面構え良い吉和アメゴにご挨拶。
5月19日
広島の市街を流れる太田川では、稚魚放流の甲斐あって、サツキマスの遡上が回復を見せているそう。
勿論確率低いゲームですが、広々した川面、かすかな期待を胸にDHを振るのは満たされる時間です。
実に七年前の夏、しばらく日本を離れることになる寂しさとともにこの川を釣ったことがあります。そして今また、今度は豪州に発つにあたり、同じ川の、まさに同じ滝を前に、竿を納めることができました。
心に刻む、しばしの別れ。
- 湖と野池編へ
8月 25-26
今年最後の渓流は三段峡の源流域。この時期残る魚は高学歴の精鋭揃い。めったなことでは騙されてくれません、が、ふと魔がさして、パクリ!
釣れない時にはついフライサイズを落とし、結果さらに釣れなくなることがあるものですが、釣れすぎる時は丁度その逆。小物が釣れないようにフライサイズを上げるにつれ、さらに型の良い魚が果敢に飛び出してくれます。
行き着いたのはオーストリアで40cm級の鱒を相手にしていた#8の巨大アント。それにも怯むことなく飛び出した泣き尺君に、ハムも大満足!
この日は若干渇水気味の細流で、ビートルパターンが大当たり。プールというプールで良型が楽しませてくれました。
成魚放流をしていない源流域。過酷な暮らしを生きる逞しいゴギたちです。
一方、五月も後半になると、中国山地の奥の院もすっかり新緑で衣替えをすませ、水辺はあふれんばかりの生命で賑わいをみせます。
大型のカゲロウやカディスのハッチも見られ、
ドライフライの楽しい時期をむかえます。
お盆
東北旅行の途中、岩手の遠野、青森の薬研で竿を振りました。旅情あふれる東北の地で、美しいヤマメ、イワナとの出会い。
- 夏のみちのくへ
この時期僕らの週末に休みはありません。北の三段峡へ、西の吉和へ、ウエーダーの乾く間もない日々が続きます。
土日ハードに歩くと月曜からの会社勤めが実際休日のように思われるのですがあまりそれを公言するとたいして仕事してないのがバレるので慎むよう心がけています。
7月
山は盛夏を迎えセミの声も賑やか。
そういえば欧州ではセミを見たことがありませんでした。セミの声を聞かずして日本人の心に夏は来ません。
中国山地は起伏の激しい地域。標高には乏しい一方、ひとつひとつの尾根筋、谷筋の高低差が激しく、半日も川伝いに釣りあがるうちには、それがとても同じ川のものとは思えないほど多彩な表情で楽しませてくれます。
痛いほどに冷たい水の中、そっと歩を進めるうちにも、そこかしこに走る魚影。川はもう眠りから覚めています。
4月26日
初釣行から二週間。
渓にもそろそろ本格的な春が訪れるころです。
今回は若干標高の低い、加計の渓流に。細い支流で大物は望めませんが、魚影は濃く、気持ちの良いドライフライを楽しませてくれました。
6月
山紫陽花が咲くころには、陸生昆虫の姿もたくさんみられるように。週末ごとに川は様相を変え、次々と新しい問いかけで迎えてくれます。
5月連休
熊本、宮崎の渓をたずねてみました。九州といえば年中温暖なイメージ、渓流釣りという連想が働きにくいのですが、とんでもない。阿蘇をはじめとする九州山地は例年深い雪で覆われますし、年によっては五月連休を迎えてもまだ雪が舞うこともあるとか。あなどれません!
豊富な降雨に支えられ、川のスケールはなかなかのもの。今回訪れた阿蘇の湧水、椎葉の耳川とも、心打つ美しい姿で迎えてくれました。
- 五月の九州へ
少々気がかりだったのは水量。ほとんど雪が降らなかった今年は川も細り、例年の魚の付き場は乾いた石畳。今後の降雨を願うばかりです。
日射しが川底を暖めるにつれ、ユスリカが水面を舞い始めました。バイビジブルを弛みに浮かべると、早起きのゴギが元気な顔を見せてくれました。
4月14日
今シーズンの初釣りは県北、三段峡。例年は出だしの鈍い僕らですが、今回はスキューバ仲間のKさんをご案内ということで、少々頑張ってでかけてみました。
下界はもう桜も見ごろを過ぎたころですが、標高700mの山間部はまだ初春のまどろみの中。広葉樹の枝もさびしい渓流は、逆に夏には見られないほど眩しい陽光に照らされていました。
朝の水温は8度。虫の姿も見られず、予想通りの苦戦を強いられましたが久しぶりの川に立つだけでも心はずむものです。
'07 川と渓流