そしてもうひとつの魅力は、大型ベイトに慣れたシ−バスは大きなルア−に躊躇なく喰ってくること。小さなルアーと繊細なタックルで攻める釣りの緊張感も良いものですが、でかいプラグに太いライン、ドカンと喰ったランカーと締め上げたドラグでガチンコ勝負というのも実に痛快。僕の拳がすっぽり入るこの大きな口でビッグベイトを見事に丸呑み。10年以上を生き抜き老成魚には威厳すら感じさせられます。
今年のシーバス戦は119出撃で106本のキャッチ。前年が107出撃で73キャッチでしたので、まずまず巧く戦えた一年でした。

稚アユ付きの攻略はできなかった反面、増水パターンでの釣りには知見が蓄積されました。少雨のせいで落ちアユパターンに伸び悩んだ一方、晩秋コノシロ付きでのスパ−トの結果、80アップ拿捕数としては16本(奥様の2本含む)。2013年の7本(こちらもやはり奥様の2本含む)に対し、倍以上の結果を残すことができました。サイズとしては88cmまでで、90cmを超える個体に巡りあえなかったのは残念ですが、そこはむしろ前年がラッキーだったと考えるべきでしょう。来シーズン、さらに一回り大きく、強くなった魚達と対峙できるのを今から楽しみにしています。



- チヌゲーム総括



 

落ちアユが収束する頃に盛期を迎えるもうひとつの重要な釣り、コノシロパタ−ン。コノシロの遡上には錦川よりも潮の昇る流程が長い太田川のほうが適している様子。家からの近さもあって、夜な夜なカヤックで出動する、楽しくも辛い日々を過ごしました。

夜の川へカヤックで漕ぎ出す狂人は昨年は僕一人だったわけですが、今年は新規加入者も現れ、カヤックならではの攻め方について、加速度的に知見を得ることができました。
コノシロの群れを補足できている限り、80アップが狙って捕れる、夢のような日々。思えば一月から十月の間、実に90日ものシ−バス釣行を重ね、その結果獲れた80アップは僅かに二本。ところがひとたびコノシロパターンがハマると、一晩に二本、三本と捕れてしまうのは由々しき事態です。
コノシロパタ−ンの魅力は二点。まず、コノシロを飽食したシ−バスは体の太さがハンパなく、そのファイトも闘牛の如き激しさと重さを持つこと。80を超えたランカーが渾身の力で絞りだすトルク、水面下の大爆発には総毛立つほどの迫力があります。
好天続きに喜んでばかりいられないのは悩ましいところ。本来ならば秋雨に流される落ち鮎を狙う大型シ−バスが遡上してくる時期になっても、有望ポイントは沈黙を保ったまま。近場の太田川ならともかく、山口の錦川水系まで出かけてもボウズを喰らって逃げ帰ることの連続。気合いが見事に空回った10月でした。

救いはごく近場、会社脇を流れる猿猴川での釣りに知見が深まったこと。平坦な泥底で捉えどころのないフィ−ルドと敬遠していたのですが、しっかり観察すればヒントは見えてきます。仲間うちでは80台も連発し、ポテンシャルに驚かされたシ−ズンとなりました。
シーバスをフライで狙ううえで、鮎は極めて重要なベイト。勿論、イナッコやイワシ、季節によってはイカやバチに付いた魚を狙うことも不可能ではありませんが、それら海の生物の移動範囲は大きく、フライの射程距離に収めることは容易ではありません。対して鮎は、海で生まれて川に昇り、産卵のために再度川を下るサイクルに生きる魚。彼らが川を遡上、降下する流れの筋とタイミングは決まっており、それを正しく読み当てられれば、射程の短いフライにも勝算が見えてくるからです。

実物に似せること、流れに馴染んで泳ぐことについてはフライの得意領域。巧くすればルアー以上に落ちアユパターンを攻略できるのではないかと研究意欲に燃えています。
増水の釣り、少なくとも高水温期の増水については夜間よりもむしろ日中のほうが好結果につながることを学びました。左写真は近所の小河川で、平水時なら小学生が水遊びしているような場所です。急な増水で濁流が川を埋めると、活性の高いシ−バスは海から一気に差しこんできて流される小魚を捕食します。激流の中からシ−バスを引きずりだすのは痛快!
山口への越県空振り釣行は10月以降の落ち鮎狙いだけでも七夜を数え、いい加減心が折れかけていたことを正直に白状します。11月も後半になって降った雨は増水量も中途半端で、出撃しない理由を探すほうが簡単でした。平日のことでもあり、むしろ近所河川でお茶を濁そうかと弱腰な僕に『それで後悔を残してもいいのか!』とNKJM師の力強い叱咤(他人事)。奮起して出撃した僕に、ついに錦川が応えてくれました。僕にとっては間違いなく今年一番の感動の一本、ついにフライで捕った納得の75cm!
淡水の釣り総括

渓流への釣行が減った結果、今年の淡水での釣りはダム湖のブラックバス狙いだけでした。必ずしも釣果が伴うものではありませんが、広い湖を自由気ままに漕ぎ、木陰に寄せたカヤックで昼寝、というのは何とも贅沢な時間。バスボ−トを降ろすことが難しいフィ−ルドでは他のアングラ−の姿を見ることもなく、僕とYMGS師、カヤック二艇だけで楽しむ夏の釣りでした。

一方、ランカ−を狙って釣るには広い湖を漕いで回るより、小川の流れ込みを集中的に攻めるほうが確率が高くなります。このオカッパリゲ−ムは他の釣り人との競合もあり、スレた魚を相手に胃の痛む駆け引きを強いられました。結果50アップを3本。まずまず楽しめたシ−ズンでした。
シ−バスのパタ−ンフィッシングのなかで最も再現性が高いのは増水の釣り。まとまた降雨があったときは、平日だろうと翌朝朝イチから重要な会議だろうと泣き言言わず奔走しました。ルア−では83cmのランカ−を、またフライでも65cmを筆頭に、納得の釣りができました。
梅雨明け後も、不順な天候は8月まで続き、例年ならシ−バスはお休みとなる盛夏にも増水パタ−ンの釣りが続きました。本来なら夏空の下、サイトチヌを楽しみたい時期、世の中一般的にも雨続きの夏というのは歓迎されませんが。

9月に入ると天候は一転して安定。快晴の週末に恵まれ、気持ちの良い釣りができました。中でも印象深いのが岩国沖のイワシ着き。船からの釣りでしたので表中のキャッチ数には含めておりませんが、文字通り‘際限なく釣れる’、夢の如き大釣りを楽しませてもらいました。
桜が散り、夏の気配が感じられるようになると、瀬戸内の河川には稚アユが遡上してきます。体長5-6cmのか細い鮎がベイトとなるこの時期は、フライでシ−バスを狙う絶好のチャンス。実際何度か目の前でボイルする光景に出くわし、友人には80アップのランカ−がヒットする幸運に恵まれたものの、フックが折れて惜しくもキャッチはならず。稚アユパタ−ンの攻略は来シ−ズンへの持ち越し課題となってしまいました。

(写真にポインタ−を当てて稚アユとフライの対比をご覧下さい)
シ−バスゲ−ム総括

僕の日常の一部となった感もあるシ−バス釣行。2014年は元日夜の76cmで、幸先よいスタ−トを切ることができました。

年明けから初春にかけてはほぼ平年並みの天候・気温で推移し、港湾部の仔イカパタ−ンでの釣りにまずまずの手応えを得ることができました。この季節の風物詩とも言えるメバル釣りを兼ねて、倉橋島近辺への夜釣りが楽しい時期。タ−ゲットは60-70cmの個体、港から港へランガンしてゆくのは独特の期待感ある釣り。

一方、河川部では低調が続き、前年同時期に楽しんだセイゴの数釣りは不発。ベイトは多くてもシーバスが付かない状況多く、見極めにはまだまだ経験が求められそうです。
釣行の過半数を占めたのは今年もシ−バス。釣り場が近く、ほぼ周年、夜でも、また悪天候でも成立するゲ−ムであるためこれが主軸となるのは当然の傾向です。昨年との違いとしては、初春のメバル狙いに呉や倉橋の港湾を釣り歩いたこと、梅雨明けから盛夏にかけて天候不順が続き、チヌゲ−ムに出れる日が少なかったこと。また、チビが二歳になった今年、渓流を背負って釣りあがるのはさすがに重労働。鱒の顔を見ない夏を過ごしてしまったのは振り返ると寂しいことでした。
昨年に続き、通いこんだ一年でした。

何事もそうであるように、学びや経験が増えるほど、新たな疑問や課題もまた見えてきます。大きい潮、小さい潮、それぞれの季節毎、あるいは天候による変化を理解してゆくには、現場に通いこむ努力が欠かせません。実釣日数166日を数えた僕の2014年を振り返ってみます。

'14 Journal