2014年は実釣日数18日、総キャッチ数41枚、うちルアーが13枚という成績でした。昨年は実釣20日、総キャッチ数74枚、うちルア−が10枚でしたので、比較するとフライが不調、ルアーは前年並だったシーズン。盛夏に雨が多かった天候条件がそのまま数字に現れたと言えるでしょう。
丸2シーズンを経て、僕のサイトチヌゲームの理解は随分と進んだと思います。フライは改良を重ねて自信を深めたカニパターンのみ。せいぜい気分で色を変える程度で、フライ交換せず一日を釣り通すことも珍しくありません。また、曇天下のサイティングの難しさを知るにつけ、気持ちよく晴れた日でないとフィールドに出向かないようになってきました。
今年の新たな気付きはキビレチヌのフライフィッシングの可能性です。広島市内、泥底の河川は本チヌよりもキビレが多く、もともと魚食性が強いこの魚はルアーで釣れてくる外道という位置づけでした。しかしシーバス狙いで流すストリーマーへの反応は上々で、ポイントを選べばこれをメインとしたゲームも十分成立しそうな気配。
来シーズンはキビレを相手に夜チヌゲームの開拓にもチャレンジしてみたいと思います。
初夏のスルメイカは好調に推移した一方、秋の楽しみ、アオリイカは型、数ともに不作。ほとんど手ごたえ得られないまま足が遠のいてしまいました。
一方青物の回遊は瀬戸内全域で好調だった様子。9月末にはイワシ付きのブリやサワラを固め釣りする幸運に恵まれました。その後も年末まで青物のニュースは広島山口随所で聞かれ、僕も何度も出撃したものの、獲ること叶わず。運が大きく左右する釣りですが、その運を呼び込むのは諦めない精神力。懲りることなく、来シーズンも青物詣でを繰り返しそうな予感がします。
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昨年から本格参戦のタイラバゲームにも、三度出船しました。5月末の大潮ではハム奥様も参戦し、美しい63cmをキャッチ。真っ青な深みへとゆっくり泳ぎ去る鮮やかな紅色の背中が今も脳裏に焼きついています。
10月、日が短くなると産卵を前にした鮎は川を下るようになります。ここに台風の増水が絡めば大型シーバスが川に入り込み、日中でもランカーがボイルする一触即発状況になるのですが、今年は雨を伴わない風台風ばかり。目立った増水がないまま、だらだらと秋が深まってゆきました。鮎にとっては好ましい状況だったことでしょうが、釣り人的には不完全燃焼の日々。
落ち鮎ポイントをビッグベイトで探っていくと、鈍く重たいアタリで乗ってくる魚があります。大型のチヌはこの季節になると魚食性を強め、シーバス以上に大胆にルアーを襲ってきます。今年は‘歳無し’50cmアップを獲ることはできませんでしたが、最大48cmまでキャッチ。
そのほかの釣り
恒例の夏のシイラ釣りには7月と8月の二度、高知を訪問しました。昨年取り逃がした足のすくむほどの大物とは出会えませんでしたが、そこはメーターアップが平均サイズの土佐湾のこと、青い海に汗のしたたる、この季節ならではのパワーファイトを満喫。
何より有難いのは青空。魚が見える限りはこっちのもの。10月前半にかけて足しげくフィールドに通い、平均すると一日二枚の安定した釣果を得ました。
日に二枚というとエサ釣り師の方々からすると、渋い釣りということになるでしょう。が、魚を目視し、忍びより、キャスト、魚の迷いや苛立ちをつぶさに観察しながら誘い、そして喰わせるフライゲームに関しては、全く飽きることない、充足した時間と断言できます。白砂と青空の間を歩くサイトチヌの一日は、心も体も、幸せで満たしてくれます。
そんな時だけに、このフィールドで初めて目にする僕以外のフライマン、Hさんとの出会いは衝撃的でした。東京にご在住ながら、10年以上も前にこのフィールドのポテンシャルを見抜き、ここ数年は毎年30日近くをこのフィールドで過ごす筋金入り。僕の釣りとは異なる点多く、彼の膨大なご経験を伺う時間は多くの気付きや驚きに満ちていました。
地元ゆえに好天、好潮、好時間帯しかフィールドに出なくなっている僕と異なり、遠路東京から訪れるHさんは少々の悪条件を忌むことなく、その条件でのベストを尽くされます。その結果発見するテクニックもあることを知り、改めてこのゲ−ムの奥深さに気付かされることしきり。
この時期は慨して大型が多く、前年にはその傾向が顕著でした。この日も最大は46cmと、新シーズン開幕を祝うには十分な手応えを得ました。
梅雨明けを迎え、8月になったというのに西日本は雨ばかり。例年なら渇水が心配されるダムも、しっかり満水状態をキープし、景気良く放水までしてくれる始末。サイトチヌゲームには厳しい条件が続きました。
一方、雨で増水した河口にはシーバスに加え、夥しい数のチヌが集結。その姿はチヌの姿を見慣れた僕ら広島の者にも異様に映るほどでした。シーバスと異なりこれら増水チヌは捕食を目的に川へ入ってくるのではない様子。ルアーやフライへの反応は気まぐれで、期待するほどの入れ喰いには至りません。小さなポッパーでネチネチと誘うと、我慢たまらず口を使う良型。これはこれで面白い、一種の心理戦に取り組みました。
9月になるとそれまでの曇天の帳尻を合わせるが如く、澄んだ高い空が続くようになりました。気温はゆっくりと下降してゆく時期ですが、日中の水温は26度前後で安定し海中の季節はまだまだ夏。チヌゲームを楽しむには絶好の条件です。
昨年の傾向からすれば、GW明けから梅雨入りまでは型、数ともに最も充実するハイシーズン。一日に6枚、7枚という大釣りができた勝負所でした。しかし2014年に関しては、狙いの潮がことごとく雨や曇天に阻まれ、出撃する気にもならない、或いはTKOを喰らって撤退する日が続きました。雨でも、夜間でも成立するシーバスに比べると制約の多いゲームではあります。
そんななか、最も充実した釣りができたのは梅雨明け直後の7月19日。最大47cmのテイリング撃ちを含め、8ヒット、5キャッチという釣りに納得しました。
五月連休明けには日中の水温は一気に20度を超え、ノッコミは最高調に達します。長年の友人にして僕のフライの、また人生の師、しんちゃんを名古屋から呼びつけ、チヌゲームをご案内。ここ数年スペイの釣りしかやっていない大物師のしんちゃんですが、瀬戸チヌの魚影を見ると黙っているわけにはいきません。神経衰弱と、その先にある充実を堪能して頂いたのは案内役の僕としても満足のいく週末でした。
産卵前、いわゆるノッコミの季節に当たるこの時期、チヌの食欲は旺盛。まだ水温が16度しかないためか神経質な気配もありましたが、奥様も僕も、今年の初物の引きを堪能できました。
問題は二歳になったチビがじっとしていないこと。浜に置いてやると水に入ってすぐびしょ濡れ。チビを肩車してのネット入れや写真撮影は思いのほか疲れるものです・・・。
チヌゲ−ム総括
膝下の浅瀬で展開されるチヌとの駆け引き。これほどに繊細緻密で、フライマンを興奮させ、満足させてくれるゲームを僕は知りません。三年目を迎える今シーズン、快晴の四月末にその初日を迎えることができました。前年の初出撃はGW明けを待ってのことでしたから、気持ち早い開幕です。
'14 Journal