こちらは全体に茶色味の強い48p。白銀の個体、真っ黒な個体はそれぞれ目にしますが、茶色が強く出ている個体は珍しいと思います。同じ場所で釣れるチヌにもかなりの個体差があるのが、鱒で言うとブラウントラウト的な楽しさを提供してくれます。
珍客と言えばこの一枚。これは本チヌなのですが、上半身は白銀色、下半身から尾にかけては黒という謎の個体。過去に二度見かけたことがあったのですがキャッチできたのは初めてでした。どうゆう経緯でこんな模様になるものか、謎が謎を呼びます?
終幕を迎える干潟のゲ−ムに代わり、秋を盛り上げてくれるのが落ち鮎ゲ−ム。例年なら大型のシ−バスとチヌが、産卵前後の動き遅い鮎を襲うボイルが多発するのですが、台風増水が全くなかったこの秋は盛り上がり乏しく。なんとか数枚のチヌをキャッチしたのみでした。
僕の釣るのは基本全て本チヌ。広島にもキビレは多く生息するのですが、水の澄んだ区域を選んで釣るため、濁りを好むキビレは釣れてこないのです。

が、ごく稀に、チヌに混じって釣れてくるキビレ(今シ−ズンの結果では、ト−タル64枚のうちキビレは僅かに2枚のみ)。写真の一枚は43p、キビレにしてはなかなかの良型です。
4月後半は稚鮎遡上の季節。シ−バスの項でも触れましたが、適度な雨に恵まれた今春の遡上は好調で、追いかける捕食魚も濃い。シ−バスに混じり、活性の高いチヌもロッドを絞ってくれました。
干潟での最終戦となったのは10月13日。気温水温の下がってきたこの時期、活性が高いのは正午前後の短い時間に限られます。高い秋の空、澄んだ陽光の中で狙う黒々とした魚影、限られた時間名残り惜しみつつ、いますこし、神経擦り減らすゲ−ムを。
朝晩の風に秋の気配が混じり始める9月、空は青く、暑いとはいえ空気は乾いて爽快。長梅雨で不調を強いられた初夏の帳尻を合わすべく、精力的に干潟詣でを繰り返しました。
ポツポツ釣ったり、頑張ってホゲたり、そうこうしているうちに夏が来てしまいました。

盛夏の釣りで記憶に残るのは、実家、香川での新規開拓。高松市を流れる川の河口、チヌが多いと親父に聞き、以前二度出かけたことがある場所です。
復帰初年、総キャッチ数は64枚(内訳は、フライ52枚、ルア−12枚)。後半の釣りを良い手応えで終えられたことが、来期の開幕を一層楽しみにしてくれます。


この憎らしくも愛すべき好敵手と、また熱戦を展開できる日を楽しみに・・・



-End
秋雨が降るとイワシが接岸し、ルア−のトップゲ−ムが始まります。今年も9月末頃からボイルが見られるように。そうはいっても晴れの日はサイトゲ−ムに忙しく、ルア−ロッドに持ち替えて出直す余裕はありません。曇天の日こそスピニングに持ち替え、小型ポッパ−で水面の釣りを。それはそれで、熱くなれるゲ−ムです。
10月の釣りのハイライトは、高校時代の旧友S君のご案内。何度もチェイスを得ながらフックアップに持ち込めず、そうこうしているうちに雲が増した午後。諦めかけた最後のポイントで活性の高い群れを補足、ついに念願の初チヌを手にして頂きました。釣りたい、釣らせたい、二人の思いが結実する喜びは格別です。
産卵直前の五月は大型ノッコミのシ−ズン。本来ならばサイトゲ−ムが熱い時期です。しかし今年は雨が多く、良い潮に限って曇天に祟られるアルアルの展開。悶々とした日々を過ごしました。

そんななか記憶に残るのは、ルア−マンNKJM師のフライチヌ挑戦。15分のキャス錬を経て早速の実戦、ほどなく食わせてあっさり初物ゲット。30分で完結されてしまっては複雑な心境ですが、ま、僕の教え方が卓越している証でしょう。
ご覧くださいこのチヌの魚影。(ポインタ−を当てると拡大してご覧頂けます)

無論この全ての魚が釣れるわけじゃありません。9割は釣れない、口を使わない魚です。が、こんな豊かなフィ−ルドでサイトゲ−ムを展開できる一日は、フライフィッシャ−を確実に満足させてくれます。たとえ一枚も釣れなくても!!
茹であがるような水温にも拘わらずチヌたちの活性は高く、若干濁りの入った水質もあってか、疑いなくフライを喰ってきます。上げでポイントが水没するまでの二時間足らずのうちに、40p前後を3枚キャッチ。新しいフィ−ルドの開拓成功に満足感のある釣行となりました。
この時期は型より数の釣りになりがちなのですが今年は大型を捕る幸運に恵まれました。チヌに関して辛口の奥様をも満足させたこの一枚は、いぶし銀の48p。
広島に戻って晩夏の釣り。長梅雨だった今年、増水の続いた川もさすがに落ち着き、例年どおりと呼べる安定した釣りを楽しめました。

ドラマが起こったのは8月末、いつも通りにチヌを誘っていた時。全て見えているヒザほどの浅場で突然のバイト!チヌじゃないのは明らか、となると喰ったのは、コチ!Wadingしている足元から良型のコチが猛ダッシュで逃げていくことは過去に何度か経験済み。いつかアレを捕ってやる、そう思って待った瞬間がついに訪れました。

思いのほか強く、長いダッシュ。丁寧に寄せたのは60p、堂々の一本。またひとつ、大願成就!
お盆のさなか、気温は36度に達した猛暑日。上げてくる海水も焼けた干潟に暖められて、34度というお湯のような状況。

大汗かきながら歩きまわり、ついにチヌの付き場を発見!広島の川に較べると個体数は少なく、ある一区画に集中して採餌している様子。前二回の試釣ではポイントを絞りきれなかったのですが、捕捉できればこっちのものです。
チヌゲ−ム総括

初出撃は4月4日。満開の桜を楽しんだ午後、懐かしい干潟に立ちこみました。18度まで温まったこの日、水温も12度に達し、Waderごしにも春の訪れが感じられます。

活性はまだ高くないながら魚影は濃く繊細なアプロ−チと誘いの駆け引きを楽しめました。
緑に溢れる涼やかな渓流も魅力的。しかしハイシ−ズンは短く、釣り人は多く、抜かれた後の川には魚少な。

それに比べ干潟のチヌは無尽蔵と言っても過言ではない資源量。日焼け対策さえして臨めば、これほど安定して楽しめる釣り場はありません。
僕の最も好きな釣り、サイトチヌ!モスクワで暮らした四年間、瀬戸内の干潟に再び立つ日を夢みて、エビカニフライを巻きためてきました。

気難しいチヌ、奥さんは『さほど好きでない』と言うのですがそこは無視。日本の誇るこの素晴らしいタ−ゲット、これにがっぷり取り組まずフライフィッシャ−は名乗れません。

'20 Journal