思い当たるのは温暖化。振り返ってみると確かに、11月頭の水温は2013-14年には18℃前後であったのに対し2021-22年は20℃前後と+2℃高い。12月頭も10年前は12℃前後であったものが、近年は14℃前後とやはり+2℃高い。また、雨が一時期にドッと降り、それ以外ひたすら晴れが続くことも、ベイトの遡上を妨げ、川筋の釣りを寂しくしている理由でしょうか。

とはいえ、港湾部でシラスやイワシを追う若魚は今も健在。彼らが成長し、広島の川をまた遡ってくれるのを祈って。
ちなみにコチラ、春先のシラスパタ−ンに活躍するフライ。長さ4-5p、ヘッドのダンベルアイのサイズを潮流の強弱、探るタナの深度で使い分けます。
ココからが本番、一年で最もアツイ大型狙いの秋!しかしここでも、川に魚を呼び込む雨が降らない。9月後半、10月、11月、台風は接近しても逸れ、風は吹いても雨は降らず。フライでの大型狙いの舞台となる落ちアユパタ−ンは昨年、一昨年に続き、空振りに終わりました。

気を取り直して夜の川筋、ナイトゲ−ム。11月、温暖化の昨今とはいえ夜風が秋の気配を強めてくると、出ないわけにはまいりません。過度な期待は持たず・・・
他の釣り人や漁師に尋ねても、『今年は稚鮎の姿を見ない』とのこと。ではシ−バスは何を追って、どこに居るのか?

遊漁船『魚魚』に乗って呉の港湾部へ、仔イカ・シラス付きの群れを探してみました。

煌々と灯りのともる造船所、日本製鉄の高炉閉鎖によって今年が最後となる残念なニュ−ス。船を寄せてドックの中に投げると、釣れる釣れる、50p前後の小型が主ですが、投げるたびに喰ってくるパラダイス。こんなとこに溜まっとるんか〜!閉鎖、考え直してくれんかの〜

いや〜、渋かった。

『昔は良かった』なんて常套句、無責任に使いたくはないですが、ここ数年の広島シ−バスしょぼくれ具合よ・・・
いえ、釣れんわけじゃないんです。数は出る。出撃当たりのキャッチ数が2本を超えたのは過去最高の結果。
しかし、嘆かわしきはサイズの下落。ランカ−と呼べる80アップが年々減り、今年についてはゼロ!何故!?
3月から4月にかけての市内河川には、シラスの遡上を追って、シ−バスのみならず良型のメバルも昇ってきます。今年は最大26pでしたが、来期はまた、春の宵、尺メバルの可能性を追いかけてみたいと思います。



- チヌゲーム総括
下げ潮が効いた橋脚の明暗部では、ベイトの気配は濃厚。ただ、それらはすべてイワシかイナッコ、9pのシンペンで釣る小型〜中型、一年のクライマックスたるべきこの時期にやる釣りではありません。

昨秋は渋い状況のなかビックベイトを投げ、納得のランカ−85pをキャッチ。その記憶にすがりジョイクロを流し、まずまずの魚を捕ることはできました、が、80には届かず!
春、稚鮎が川を昇る4月はまず第一の重点取り締まり月間。川は山からの雪解けと春雨のおかげでまずまずの推移をキ−プし、大きい潮回りに狙い定めて出撃してみました。

が、稚鮎の姿が無い。例年なら濃い群れとなって遡上する4月後半になっても、稚鮎の姿が少ない、皆無。丁寧に探り60p迄の若魚、外道としてチヌ数枚をキャッチすることはできましたが、期待にはほど遠い春の陣。
貧果に終わった2022年シ−バスゲ−ム、最も記憶に残ったのはこの一本。

11月末、反応渋い近所の川、時刻は3時、納竿直前、目の前で控えめなボイル。どうせ小物、と期待せず投げたクラウザ−にズシン!

全長77pとランカ−には僅かに足りませんでしたが、久々にみる体躯、肥え太った秋のシ−バス!元気な子孫を産んでくれること祈念、感謝してリリ−ス。
5月、川筋の水温が上がり、雨の濁りが入るとイナッコに着いたシ−バスのDayGameが成立します。河口部は泥底区間が多く気分爽快とはいきませんが、市内河川での気楽な釣り。

このあと、6〜7月は本来ならば梅雨増水をトリガ−とした良型狙いができる時期。なのですが今年は空前絶後の空梅雨。観測史上最早となる6月28日の梅雨明け宣言が出て、シ−バス初夏の陣は始まらないまま終了となりました。
釣り仲間とWadingゲ−ムにも出てみました。するとこの夜、この場所に関しては、『おるやんコノシロ!』 辺り一面で捕食音が響き渡るなか、我々三名、投げ倒しました。が、そんな時に限ってルア−は見切られるんですよね〜

諦めかけた下げ底、友人が殊勲の大物キャッチ、ヒラメ70pコレはスゲエ (;゚Д゚)
渇水が限界に迫ったお盆、待望の台風到来。天恵絵と呼ぶべき80oの降雨で川は息を吹き返し、60pを一本。

続いて9月中旬、さらに強力な台風14号による台増水で川は大氾濫。(もうちょっと適度に降ってくれませんかねえ・・・) ここでは73pを筆頭とし、まずまず納得のゆく釣りができました。

東京湾ではフィ−ルドの大半を成す工場地域、夜間照明に寄ってくる仔イカやシラス(イワシの幼魚)の釣りは広島では比較的マイナ−な存在です。歩いて入れる工場地域が少なく、わざわざ船を仕立ててシ−バスを狙う必要がない土地柄であるのがその理由ですが、川が渋いとなると是非も無し。釣り仲間と浜を歩き、石油精製工場に忍びこんでみました。
シ−バスゲ−ム総括

フィ−ルドが近く、夜でも楽しめるシ−バス。ここぞというタイミングで雨が降らず不完全燃焼に終わった昨年、そこからの挽回を期待しての2022年シ−ズンでしたが・・・
129回を数えた前年から大きく減らし、2022年の釣行回数は87回。春から初夏に雨が降らず川が細っていたこと、秋も台風の接近がなく雨が少なかったことがその原因です。前年に続きスルメイカの回遊が見られなかったのは残念な一方、土佐湾のシイラは復調し、爽快な夏を楽しむことができました。友人のお誘いのおかげで、しばらく足の遠のいていた源流域の釣りを楽しめたのも良い思い出となりました。
コロナ禍の生活も三年目、そんな状況でも気軽に出かけられるフィ−ルドがある広島という環境は有難いものです。チヌとシ−バスを軸としつつも、新しい釣り方、久しぶりの釣り場の再訪に努めてみました。

'22 Journal