午後からは作戦変更。一旦車に戻り、ダブルハンドを持ち出してきました。
狭い川、DHを使う理由はないとも言えるのですが、なるべく川に立ちこまずに釣る、そして岸際に群れる弱った魚を避け、流芯を遡ってゆく強い魚だけを狙いうちにするには、DHの長さが便利な局面もあるように感じました。
三日目。いよいよ忠類川のサケと一戦交える日がきました!夏にも訪れたとはいえそれは所詮(というのは失礼ですが)カラフトマス。やはりフルサイズのシロザケを相手に、その手応えを確かめたいではありませんか!
まずは釣獲調査の公式HPでもおなじみの忠類橋から様子を確認。見下ろせば、おお!夏には閑古鳥が鳴いていたその流れに、サケやマスの姿がひしめきあっています!
釧路を後に一路北、中標津経由、標津町へと走ります。早速今回のメインイベント、忠類川を釣る・・・つもりだったのですが、あまりに天気がよく爽快だったので、まずは知床半島まで足を伸ばしドライブを楽しむことにしました。
写真で見るぶんには夏と変わりない様子ですが、山上の空気には秋が感じられます。
オスのサケは体も顔立ちも逞しく、惚れ惚れとさせてくれます。もう少しフレッシュな魚体ならなお嬉しいのですが、これはこれで秋の風情と思うことにしましょう。
管理棟で手続きを済ませ、さっそく川辺に向かいます。前の週の雨がよかったのか、川は夏に訪れた時よりも若干水量も増え、コンディションは良さそう。
さすがに下流部は混雑気味ゆえ300m程上流にて開始!一匹目はよく太ったメス。やはりマスより大きく、厚みもあり、見ごたえのある魚です。
午後遅くには知床連峰の霧も晴れ、堂々たる羅臼岳の姿を楽しむ事ができました。
知床半島を海から眺めるクル−ズ船にも乗ってみました。断崖絶壁、奇岩の数々、実に見ごたえのある景観です。
夏に咲いていたハマナスの花は真っ赤な実をつけていました。
夏の訪問から一月半、秋の気配漂う十月の北海道に帰ってきました。今回は8泊9日と短く、目的地は道東に集中しているため、飛行機とレンタカ−利用の気軽な旅程。
まずは釧路で一泊して街歩き。例年この時期に北海道を訪れている釣友Kimoo君夫妻に秋の味覚を案内してもらいました。ついでながら、駅前釧路ロイヤルインの朝食、焼きたてパンのお味は感動物でした!
夏と秋、それぞれの忠類川を釣らせていただき、僕はこの川が大好きになりました。川幅は狭く水量も多いとは言えず、北米流に言うならばむしろcreekに分類される規模でしょう。大河に立ちこむ醍醐味や技術的な挑戦はありませんが、魚影の濃さ、ポイントが近く、また水がよく澄んでおりサイトフィッシング的楽しさは格別。何より知床の山影を遠くに竿を振る時間には極上の愉悦があります。
この素晴らしい資源を我々遊漁者と共有してくださった標津漁協、釣獲調査委員会、また標津町の皆様方に感謝!
秋の北海道 中篇へ
今回改めて思ったのですが、太平洋系のサケはフライパタ−ンを選びません。フライを底まで沈め、正しいドリフトさえできていれば、パタ−ンは何でもよいと思います。
僕らの定番はガマカツOctopusHookをカシロフノットで結び、お好みのエッグヤ−ンを挟みこんだだけというお粗末なシロモノ。道具要らず、指で編むだけ。端にはル−プを作っておき、リ−ダ−とはLoop
To Loopで接続できる仕組みです。芸術性のカケラもありませんが、作るも釣るも気楽です。
魚影は濃く、竿はこの後も順調に曲がります。ただ、(まだ十月頭、加えて今年は例年より遡上が遅れ気味であったというのに)すでにブナが立ち、ヒレも傷みはじめたサケも多いことは少々意外でした。
その一方で、まだ比較的状態のよいマスが釣れたりもします。過去の記録と比べてみても、やはり今年のマスは二〜三週の遅れがあったようです。

'06 秋の北海道 - 前編
夏の旅行で遊んだ川にも再訪。写真にポインタ−を当てて夏の風景と較べてみて下さい。
あわよくば秋色をしたオショロコマと再会したかったのですが、あたりはご覧のとおり、一面のカラフトマス。歩くこともままなりません。深まる秋にせかされて、知床の生命はそれぞれの道を急ぐかのようです。
ウトロの外れにある展望台に、七年ぶりに昇ってみました。たった10分程の登山(登岩?)なのですが夏に寄った際はどうにも暑く、割愛してしまったところ。南の海とはまた違う、神秘的な青をたたえています。