広大な海原を南へ進む貨物船とすれ違いました。
持ち帰ったビンタはカルパッチョにしておいしくいただきました。キハダは脂分が少ないためやや淡白に感じますが、オイル入りドレッシングとの相性は絶妙。
太平洋の恵みに感謝しつつ!
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もうひとつのオススメはJRの駅とも隣接した美波町道の駅。土地の名産品を品定め(ウツボの佃煮は如何?)した後は、ゆずソフトを手に、最近はやりの足湯で一服。釣果はともかく、初夏の日和佐を満喫して帰路につきました。
Ron君はこの後JRで帰るという風流!海岸沿いを走る鉄道からの景観はまた格別だったそう。
日和佐のすぐ南には、やはり僕ら四国の者にはよく知られた観光道路、南阿波サンラインが走っています。この高みから見おろする太平洋はまた格別!
『船長達は今日もあの水平線の向こうかあ』などと遠い目をしてつぶやきながら、既に次回に向けての戦略を練り始めている懲りない僕。
ウミガメの上陸地として以外にも、日和佐は実に魅力的なところです。
厄払いの寺として有名な薬王寺も見所のひとつ。近年の自治体改編で、『美波町』と改名されたのが個人的には腑に落ちないのですが、この情緒豊かな漁村、日和佐はいつまでも残って欲しいものです。
・・・ただし油断は禁物!?
翌朝は宿の目の前、大浜海岸をゆっくり散歩。昨年は観測史上最低という二頭の上陸しか見られなかったウミガメですが、幸い今年はこの時点までに四頭の上陸、産卵が確認されたとのこと、嬉しく思います。
それにしてもかわいいウミガメたち・・・。
僕は潔癖フライ主義者ではありませんがこの日に限ってはフライに徹して続けることに。(ルアータックルを持参しなかったこともその一因ではありますが)、実は『フライなら釣れる』という感触を得ていたからです。
大きなルアーには見向きもしない満腹シイラ達も、1.指位の小さなフライを、2.パヤオの作る潮目のなかに、そしてこれが重要かつ困難なのですが、3.複数のシイラが並んで泳ぐ鼻先に通せば、競争心理が働いて口を使ってくれることを発見したからです。
やがて見覚えのあるパヤオが見えてきます。が、この時点ではまだ一本釣り漁師の方々が操業中、近寄らせてもらえません。パヤオを遠巻きに、しばらくブラインドキャスト。ルアーの皆さんにもヒット無いなか、フライには打つ手なし。
一方パヤオにつけた漁師さん達は爆釣中。宙に抜き上げられる鰹に混じり、時折大きなシイラが竿を絞り込むのが遠目に映ります。シイラに商品価値はありませんが、これがいると鰹が怖がって浮いてきません。そこでまずはシイラを全部『退治』してしまうのだそう。勿体無い話・・・。
集まったのは同僚釣り仲間、実に七名!金曜の釣行で出席率は悪いかと懸念されたのですが、皆さん機動力十分。木曜午後にはそそくさと早退、各員完全武装で戦地へ赴いたのでした。
まずはイケスから活き鰯をすくって出発。海に放すとすぐ下へ潜ろうとするアジと違い、鰯は表層を逃げ惑います。またその散りやすい鱗が捕食魚の活性を高めるとも言われ、パヤオの釣りには最高の撒き餌です。
いやあ、案外捕れるんです。こちらも良型ビンタ。終日お付き合い頂いた女性陣にご褒美を頂けたところで、今回の日和佐釣行はおしまい!
船長さん、冷凍長さん、今回も精一杯僕らを楽しませてくれて、ありがとうございました。同志諸氏、渋い状況下、お疲れさまでした!
この時合を逃すまじ、と続けて鰯君二号投入!今度はKimoo君の奥様の出番です。果たして数秒後には、ギュルルウウ〜〜ン!
学習した魚は鉤が見えているエサを警戒しますし、エサの鰯が自然に泳いでいないと喰いが落ちるとのこと。この日船長にお薦め頂いたのは、チヌ鉤5号ほどの極小粒!そんなんで捕れるんかいな?
日が傾き、雲が空を覆いはじめた頃、ふいにコバルト色の閃光が海面直下を交錯しはじめました。『カツオ!』
既に残り少なくなってきた鰯を撒くと、驚くべき正確さで捕食していきます!その俊敏さたるや、人には視認できないほど!鰯が描く放物線が波に触れるであろう一点に瞬間飛沫があがるのが見えるだけです。
『水中では喰わん。合わせて叩け!』 船長の相棒、今回もお世話になった通称‘冷凍長’さんの助言どおり、落ちる鰯に合わせてフライを打ち付けると、ギューーーン!!
昼飯を終え、最後のカツオ船が帰港するのを見送ってから、いよいよ僕らの番。既に十分じらされた僕ら、早速、秘奥義、『ピチピチ鰯、表層の舞』をぶちかまします。さあ、かかってこんかい!
と〜こ〜ろ〜が〜!
つい先程まで職漁師が投入した強烈な量の鰯でおなか一杯の魚たち、波間にその姿は見えるものの、僕らがパラパラと落とすケチな量の鰯には関心も見せません。撒いた鰯までが悠々泳ぎだす始末。むむ〜、困った・・。
なんと、小型のクジラの群れが散歩してるじゃありませんか!広大な海原を悠々と泳ぐ姿は感動的。
この後もイルカの群泳や、さらには大きなエイが跳ねる姿も見られ、太平洋のロマンを感じさせてくれました。
と、しばらくの沈黙を破る微妙な笑い声。
見ると同期イチの大男、Ron君が、申し訳なさそにエソをぶら下げています。カメラをむけるとキュートなひきつり笑いをしてくれました。
さていよいよ全速前進、と思いきや、ここで問題発生。船長さんによるとパヤオに鰹の群が入っているとのこと!それ自体は吉報なのですが、平日、職漁師が操業している間は遊漁船はパヤオに近づけない決まり.。しばらく他で時間をつぶす必要があるのだそう。
とりあえず近海ジギングを試みることに。ヒラスズキで有名な千羽海岸沖は夏の間タイの好ポイントだそうで、この日も数隻の釣り船が出ていました。
昨秋楽しませてくれた日和佐の海。
今年は初夏、6月の再訪。
この時期に回遊してくるシイラは大型個体が多く、運がよければノボリ鰹、さらには四国でビンタと呼ぶキハダの若魚を狙えるチャンス。一方で魚影という点では盛夏に比べると不安定.、梅雨の空模様同様、リスク含みの釣行になるのは仕方ありません。
『キターーー!!』
フライが海面を叩く瞬間には既に鰹の口に捕らえられていたような間合い。それでも鰯に似たサイズ、色合いでないと喰ってこなかったところを見ると、魚達は空中を飛んでくる物体すらもかなりの正確さで見分けていると考えざるを得ません。釣りという実感には欠ける究極の叩き釣りですが、勉強になる経験でした。
昼間の沈黙が嘘のようにカツオの乱舞が始まりました。おなじみカツオ鳥まで参加して黒潮牧場の夕食は大賑わいです!
一方で僕らの鰯のストックは残り僅か。ここは釣り欲より食欲、フライを鰯に付け替えて、お手軽勝負。するとまあ、一投目着水から数秒後には、・・・ギュルルウ〜〜ン!!なんともまあ、ゲンキンね。
ゆっくりと沖に進むにつれ、海の色が外洋の、底知れぬブルーに変わります。
フライブリッジから高みの見物をしていると、『お?アレはなんだ?』(写真はヤラセ)
意外に引いてるな、と見ていると上がってきたのは今日二本目のビンタ。日和佐沖で釣れるものとしては満足のいくサイズです。でかした!
揺れるミヨシの上からフライを投げ続けること数時間、結果的にはシイラを仕留めることはできませんでした。しかしその間、7,8回は魚を動かせ、実に4回、バイトまで持ち込むことができたのです。ゆったりと拾い喰いする魚へのアワセは難しく取り込みに至らなかったのは残念ですが、駆け引きの緊迫感は極上でした。
そうこうしているうち、K先輩に二匹目のシイラが!今度はオスとあって、また一段と凄いファイト!(本音では羨ましい僕・・・。)
それから約2時間、これという盛り上がりもなく、遠投を繰り返すルアー隊にも疲れの様子が見られ始めます。
午後3時ごろ、シイラの活性が若干回復してきた様子。ルアーへの反応は相変わらず鈍いものの、表層に浮く鰯をついばんで泳ぐようになりました。まずは一匹を、ということで活き鰯の泳がせ釣り。何度かパヤオ脇を流すうち、ついに強烈なリールの逆転音が!予想外に渋い日の、やたら嬉しい初シイラはK先輩に!

'07 初夏の太平洋
ルア−タックルを持たない僕はしばし見学。
ルアーも手広くこなすKimoo君の軽快な竿さばき、しかしこの日は何もアタリません。