緑の陰もやさしく映る、白砂の淵。
少々長めのキャストを決めると・・・
第五連帯遭難記念碑を訪ねた夕方、
あたり一面には濃い霧が。
稀にはヤマメも混じりました。
まだ小さいながら、厚みある良い魚。
千人風呂と呼ばれる巨大混浴風呂が有名な酸ヶ湯温泉。総檜張りの湯屋、情緒は最高(ただしノゾキ天国との苦情も・・・)
おそらくほんの百年前の日本には、かの本に綴られたような精神性にみちた世界がそこかしこに息づいていたのだと思います。
遠野を見下ろす早池峰の山。
神宿る領域。
新田次郎の小説、『八甲田山死の彷徨』で
有名になった陸軍雪中行軍の資料館へ。
夏に訪れるぶんには想像もつきませんが、あまりに不運かつ壮絶な出来事に胸痛みます。
相手をしてくれたのは九割方が岩魚。
サイズ的には小物ばかりでしたが、ここぞというところでは何らかの反応があり、飽きることなく楽しませてくれました。
この季節の渓、土地勘に乏しい旅行者にもかなりの魚影が見られるとは、山の豊かさの証左です。
葉の緑にも、力みなぎる真夏の渓。
肌を焼く太陽に追いたてられ、僕らは川辺へそそくさと藪をかきわけます。
ひととおり遠野の観光を楽しんだ後は、
いよいよお待ちかね、水遊びの時間。
以前自転車で海外を放浪したとき、極限まで切り詰めた荷物の中、一冊だけ忍ばせた日本語の本が、柳田邦男の『遠野物語』。異国の夜、テントの中でその本を開く時、言い知れぬ郷愁を感じた事が思い起こされます。
奥入瀬渓谷。
お盆の最中とあってかなりの賑わい。
この中で釣るにはかなりの度胸要。
盛岡の夜を楽しんだ翌日、六日目はさらに北、いよいよ青森に。八幡平を超えてしばらく、十和田湖が見えてきます。
今回釣りはしませんでしたが、急深、かつ透明度の高いこの湖。えもいわれぬ神秘性を感じました。

'07 夏のみちのく - 中編
この日釣ったのは早池峰神社からさらに奥まった、猿ヶ石川の上流域。
もっともっと釣り上がれば、あるいはそのうちマヨイガに行き当たることもあったやもしれません。
束の間ながら、至福の時。
夏の盛りとはいえ流石は東北の川、釣りをするには十分な水が流れています。
ハッチもない日中の釣り。おのずと狙いは白泡のそばや、岩陰のくぼみ。テレストリアルパターンで打ってゆきます。
この地方の住居様式、曲がりや。
じっくり訪れたい、素晴らしい里。