ヘトヘトになりながら、下山。川はその激しさをそのままに、海へと流れこみます。車を停めた海辺の神社は傾いた午後の陽に照らされていました。

この険峻な谷に楽園が守られていることを確認できたのは大きな収穫でした。(もう一度行く根性は無いにしても?)
尺にはちと足りないながら、野性美極まるブナの森の宝石。
険しい渓と聞いてはいましたが、実際ハンパじゃありません。巨岩と断崖、深い淵で構成されたそれはまるで障害物レ−ス。ヒグマの心配もともかく、これほど体力を消耗する川もなかなかないでしょう。正直久々に泣きが入りそうになったのですが、弱気な話はまたの機会に・・・。
下山後はふもとの五色温泉でゆったりと。そうこうしているうちに陽が落ちて、ヘッドライトを頼りの夕食になってしまいましたが、まずは順調な旅行序盤です。
北海道到着の夜はお約束、小樽の運河沿いで夕涼み。本州の熱帯夜に疲れた体にはこれ以上ない贅沢です。
過酷な高巻きと藪コギを強いられるものの、谷は清浄にして豊穣。水面には羽虫が乱舞し、イワナのライズもそこかしこに。フタスジモンカゲロウの優美な姿。
翌朝も爽快な青空。いそいそとテントを畳み、さらに南へ。立ち寄った黒松内の道の駅、焼きたてパンの旨さに悶絶!!
頂上から望む、お隣は羊蹄山、1898mの頂。
余市を出たあとは一路南へ。倶知安の町からさわやかな森の中を走ることしばらく、ニセコアンヌプリのふもとに到着です。

今回は道南地方だけに行き先をしぼり、のんびり旅行することに。

快晴の翌朝、まずは小樽のお隣、余市にあるニッカウイスキ−の蒸留所を見学に。
おまちかねの夏休み。どこへ行こうか散々迷った挙句、結局今年も北海道へ。

舞鶴-小樽は毎度の新日本海フェリ−。
デッキでのジンギスカンBBQは最高!
千走川温泉で汗を流し、いそいそとキャンプ場へ。テントを張り終えたころ、狩場山の向こうに陽は沈みました。




夏の北海道 中篇へ



 
緩い淵、明るい川底を背景に、魚の姿は手に取るように見えます。障害物レ−スで汗ばんだ体を冷やしつつ、サイトフィッシングを満喫するひととき。
道南、松前半島への訪問は実に15年ぶり。ついつい道東ばかりに目が行ってしまっていた近年の自分を反省し、今回はこちら道南の渓流を再発見しようという試み。

まず取り組んだのはO川。アメマス釣りで有名な島牧で日本海に注ぐ小渓です。
Fishy Trips
'09 夏の北海道 - 前編
ニセコアンヌプリは標高1308mの低山。
難所もなく、初心者向きとされています。

とはいえさすがに北海道の山。思った以上にスケ−ルは大きく、眺望は雄大。道端にかわいいリスを見かけたり、僕らにとっては十分楽しめる山歩きでした。
(写真にポインタ−を重ねてみてください)
ニッカの創業者は広島の造り酒屋の子息であった竹鶴政考。本場のウイスキ−醸造を学ぶべく渡欧した彼のスコットランドでの暮らしぶり、また帰国後余市での起業に際しての奮戦の足跡が、美しい調度品や興味深い資料を交えて紹介されています。