魚探、散水、活イワシのチャムという三種の神器に恵まれた日和佐の釣りと異なり、こちら手結の釣りはDIYの根性勝負。また操船も基本的にはルア−の間合いでウケから30〜50m程度の距離をとって行われますので(よほど高活性の群れに恵まれない限り)フライだけでの勝負は厳しいものがあります。
133cmの良型。
女だてらに、なかなかの風格!
ヤル気のある個体は攻撃的。この日一番の大物はハムのポッパ−を大跳躍で振り飛ばした後、猛然と船べりまで追ってきて僕のフライをガブリ。直後水平線までかっとんで行きました。
室戸の山並みを紅く染めて夏の太陽が顔を出します。前日の気温は35度。今日も負けず劣らず暑い日になりそうです。
お手柄フライ、13cmのイワシ君。

この日反応が得られたのは10cm以上の大型ストリ−マ−だけでした。ある日には5cm位のミノ−しか口にしなかったりするのに、そこら辺がいまだに判らない・・・
そんな局面で持つべきは、良きティザ−マン。一人がルア−で寄せ、もうひとりがフライで撃つ。とまあそうそう巧くはいかないものですが、たまに当たると友情や夫婦の絆も深まるというもの?
僕も続いて良型を一本。こうして船長の肩の荷が下りたあとは、好きにフライを振らせてもらえるという筋書きです。
ここ数年SWFF紙でよくとりあげられる徳島日和佐の釣りは、港から1、2時間離れた2〜3基の大型ブイが舞台。一方こちら高知、手結での釣りは港から20分も走ればもうフィ−ルド。竹を編んで作った伝統的な集魚装置、‘ウケ’を撃っていく釣りにはまた別の趣があります。
真夏の風物詩、太平洋のシイラ釣り。雑誌で読むほどカンタンな釣りかどうかは別として、大海原にたかだか20mそこそこフライを投げてみるだけでも、人間何かしら感じられるものです。

7月末の週末、僕らが出向いたのは(昨年同時期、賢いシイラ達に弄ばれた)高知県は手結(テイ)のシイラウケ。


ぺったりと凪いだ、真昼の土佐湾。
梅雨あけて、いよいよ夏も本番です。





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Fishy Trips
'10 夏の太平洋 - 前編
今年のシイラは出だしが悪く、例年なら盛期を迎える梅雨時の釣果が芳しくなかったそう。僕らが訪れた7月末になって、やっと漁師の網も重くなってきたとのこと。

今回も僕らを案内してくれたのは、遊漁船 飛翔
の南部船長。ウケからウケへ、テンポよく船を回してくれます。
ウケは高知湾に所狭しと並べられ、その総数はおそらく数百、或いは千を超えるほどかもしれません。ひとつのウケがお留守(居留守?)でも、次のウケまでは僅か5分。いわゆるラン&ガン的な楽しみ方が可能。

まずは二人ともルア−タックルでゲ−ム開始。早々、ハムのポッパ−に良型がヒット。いきなりの113cmにテンション急上昇。