下流20mほどの岩盤帯でタ−ンをかけて浮き上がるフライ。それを襲うアタリは暴力的です。10番ロッドのバットパワ−を十分に使い、怒れるドラドを強引に浮かせます。ここでも70p前後の良型を二本捕ることができました。やはりパラナ川、Petoの言うとおり、イベラ−湿原よりも総じてサイズは大きいようです。
Upper Parana 2へ
夕マズメ、すっかり涼しくなった川面で仕切り直し。日中のストラクチャ−撃ちとは趣向を変えて、パラナ川のどまんなかにある沈み根に舟をつけ、スイングの釣りを試しました。
550グレインの重たいラインを流れと直角に極力遠投。流れにのせてフルラインを流しこんだうえで、水底を緩やかにスイングさせて誘います。フィ−ルドを熟知したガイドあってはじめて可能となる釣りです。
昼の暑い時間は木陰で水浴びして過ごすか、宿に帰ってシエスタを楽しむのがドラド釣りの作法です。モスクワからの時差と気温差に体が慣れていないこの日は高台のロッジに一旦戻り、しばし甘美な昼寝をむさぼりました・・・
激しい夕立が屋根を叩く音を遠くに聞いたような気がします。
日が高くなると暑さ、湿気は急激に高まります。モスクワ暮らしではありえない滝の汗が全身を流れおちます。
木陰に船を寄せ、水浴び、僅かな涼風の中でランチ。この素朴な男メシが、また美味いことよ!
Paranaの源流は国境を越えてさらに北、ブラジル南東部の高原。夏、12月前後にそこに降る膨大な雨が濁流となり、アルゼンチンを北から南へ貫流します。やや上流に位置するダムが調整機能を担うものの、雨季の水位上昇は激しく、釣りを難しくすることもあるようです。特にフライでの釣りには増水前の10月と、水量が落ち着き始める3-4月が好ましいとのこと。
ドラ−ドはそう個体数の多い魚ではありません。それまでの約二時間、二度のチェイスを得ただけだったため、このフックアップは確実にモノにしたいところ。慎重かつ強引に寄せ、今回の一本目をキャッチすることができました。なかなかの良型!改めて、神々しい野生美!
積もる話を交わしつつの一日目、川岸をドリフトさせながら、倒木、沈み根を丁寧に打ってゆきます。
大河の釣り、ロ−カルアングラ−にはトロ−リングが一般的。ですが我々フライフィッシャ−にとっては細心のアプロ−チと誘いが不可欠。その意味でゲ−ムを理解したキャプテンの価値は大きいものです。と、ふいに走る衝撃!跳ね上がる黄金!
来たっ、ドラ−ド!
今回僕の訪問は2月半ば。ベストタイミングではないものの、幸い今年のパラナ川は特段の増水状態ではなく、まずまず良いコンディションとのこと。水辺に立ってみると、空から見た印象ほどには濁りもきつくなさそうです。
Petoから事前にもらったアドバイスをもとに、濁った水の中でも目立つよう黒をベ−スカラ−に巻いたフライ達。左上のマドラ−は長さ約10cm。右下のストリ−マ−は16cmに巻いてみましたが、結果的には10p前後の小型フライが投げやすく、魚の反応も良かったようです。
ここを訪問地にしたのは、前回Ibera湿原でお世話になった熱血ガイド、Petoに再会するため。その後自分のガイドサ−ビスを立ち上げたPetoが拠点に選んだのがアルゼンチン北東、Itatiという町。Ibera湿原と比べると水は濁り、釣り場は大味感が漂いますがフィ−ルドの広大さゆえ魚のストック量は遥かに多く、またサイズも良いのがその理由とのこと。
Itatiの町自体にはこれといった見どころはありませんが、町の中心にある聖堂は堂々として、その天蓋はそれから3日間釣りをする川の上で、常によい目印となってくれました。
2017年2月、12年ぶりの再訪。まずはアルゼンチン北東、Corrientesへ。
河口部BuenosAires近くでは幅60qにも及ぶデルタを形成する大河パラナ。北へ2,000キロ飛び、パラグアイ国境に位置するこの町周辺でも川幅は約3q。南米第二の大河、さすがのスケ−ルです。