正直もう一度再訪することは難しいでしょう。モスクワからでもこの地は遠く、まして日本からは地球の真反対。家族持ちのサラリ−マンがそう何度も行ける旅先ではありません。少々寂しさこみあげるなか、今回の訪問を彩ってくれたパラナの魚達に感謝しつつ、Itatiでの釣行を終えました。



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二日間、パラナ川左岸、アルゼンチン側を一通り流した僕ら。気分転換に右岸、パラグアイ側を釣ってみないかとのPetoの提案。『ふむ、何が違うん?』と尋ねると、『いや、特に変わらん。』との正直な答え。ま、折角の機会、ご近所パラグアイのドラドにもご挨拶しておきましょうか。

川向うの小村、国境警備隊の駐屯地へご挨拶に出向き、何やら小銭を渡すPeto。パラグアイのライセンスはこれでOK。
Upper Parana
三日間の短い釣りでしたが、前回12年前の思い出やそれからの出来事を旧友Petoと話しながら過ごす時間は充実した、心地よいものでした。

そしてこの強く、美しい魚達との出会い。Tigre de Rio、その名に値する素晴らしい魚に今一度触れることができました。

Petoの話通り、パラグアイの岸もアルゼンチン側と同じ、冠水した灌木林。釣れる魚にも特に違いはありませんでした。ま、そりゃそうだ。

ただPetoのお気に入りの入り江や水路を一通り見て回れたこと、木陰での冷えたビ−ル、心地よい水浴びが充実したパラナ最終日でした。
国境警備隊といっても一見した限りいたってのどか。僕らのほかには川を渡ってくる者もおらず、隊員達は日陰でゴロ寝か手釣りでヒマつぶし。

と、目の前で突然ドラドがベイトを追い、束の間水面が沸き立ったりしますから油断なりません!
熱帯の魚とはいえあまり陽射しが強いとドラドの活性は下がる模様。川面に張り出した枝、大きな木の根元、シェ−ドの奥にフライを打ち込む精度が釣果に直結する状況でした。
三日目。ここでの釣りの最終日。

前日午後に空を覆った雲は去り、また暑い日になりました。冠水した島と島の間、風のない水路はサウナ空間。ことに−30℃の氷世界モスクワから来た体にはドロドロに溶けだしそうなレベルです。