モスクワの周囲に点在する歴史的魅力を持つ小都市群を、『黄金の輪』と呼んでいます。そのうちの一つ、ロシア民話の世界さながらののどかな景観を残す町、ス−ズダリ。
夏になると街のあちこちに野菜市が立ちます。

冷涼な気候ゆえロシアで育つ野菜は限られますが、南に位置する旧ソの国々からの輸入は盛ん。アゼルバイジャンやウズベキスタンから新鮮な野菜が届けられますので真冬の一時期を除けば、まあ、食生活に不自由することはありません。
同じく黄金の輪のひとつ、ロシア正教の総本山であるセルギエフポサ−ド。電車で一時間ほどの距離ながら、モスクワとは全く違う雰囲気を味わうことができます。





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いつも大勢の観光客で賑わう赤の広場。
お店は薄暗く閑散として、棚には商品がない、そんなひと昔前のソビエトのイメ−ジをもって訪問すると、今日のモスクワの弾けっぷりに圧倒されます。近年の地下資源ブ−ムがもたらした富はロシアの、少なくとも都市部に急激な発展をもたらしました。巨大な商業施設がそこかしこに建設され、ありとあらゆる西側のブランドが出店。クリミア紛争以降EUによる経済制裁を受けているにも拘わらず、今のモスクワで買えない欧米製品はないほどの賑わいです。浮沈は激しいものの、天然資源を持つ国の底力は圧倒的です。

四階まで達する水槽には南洋の海水魚が泳ぎ、外界の寒さも忘れさせてくれます。
ロシアの大統領官邸があるクレムリン。

モスクワの夏は爽やか。川には遊覧船が行き交います。写真にポインタ−を当てて同じ場所、冬の光景もご覧ください。冬には砕氷船が通り、船の道を確保します。
我々日本を含む西側陣営にとってモスクワは長らく敵国の首都でした。1962年のキュ−バ危機、その後80年代にかけて展開された軍拡競争は共産陣営の大本営といえるモスクワのそこかしこに痕跡を残しています。

例えばモスクワの地下鉄。左写真にポインタ−を当ててみてください。初めてみるとギョッとするその深さは、核爆弾が投下された場合にシェルタ−となるよう設計されたものです。
長い冬のハイライト、クリスマスはロシアでも盛大に祝われます。ただしキリストの生まれた12月25日ではなく、洗礼を受けた1月7日がロシア正教でのクリスマスですが。

緯度の高さもさることながら、内陸奥深くに位置するモスクワの冬はことさらに厳しいものです。近年は温暖化が顕著とは言われますが、厳冬期の気温は-30度前後に達し、街は雪と氷に閉ざされます。

そんな中でも晴れ間を見ては氷に穴を開けて釣りをする人たちも。写真では快適そうですが、青空の時は冷え込みが殊更厳しく、なかなか根性のいる趣味です。
都市としての成立は12世紀中頃。ロシアの源流であるル−シ民族がモンゴルの支配を脱した14世紀以降、この街は帝国の首都として歩み始めました。その後ナポレオンやナチスドイツによる侵略からの復興、またサンクトペテルブルクへの遷都、そしてソビエト連邦の首府としての復権といった激動の歴史を乗り越え、1200万の人々が暮らす今日のモスクワがあります。
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Moscow