ここから一度トビリシに戻り、いよいよ本題の鱒釣りに出かけます。

今度は一路西へ黒海に向けて幹線道路をドライブ。平野を走るやや単調な直線道ですが、随所でダイナミックな道路風景にも出会い、眠気をさましてくれました。さてさて・・・




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他にも大きな変化を見せたのは地形と気候。この国の背骨とも呼べるGreat Caucusus Crest に差し掛かるとツヅラ折りの道は標高をぐんぐんと上げ、それに伴い外気温は一気に下がり、あたりはまたたく間に雪景色に変貌します。飛行機の窓から眺めた印象をさらに超えるほどの、険しい山肌に圧倒されます。
天空の、という形容を用いたくもなるStepantsminda、三位一体修道院。

ただただ、圧倒的されました・・・。

腰に雲の帯をまとったグルジアの雄、標高5,074m、Kazbeki山の頂。
コ−カサスはロシアの南西端、カスピ海と黒海に挟まれた峻険な山岳地帯。上の写真に見るとおり、4千m超の峰が連なるこの土地は交易とともに軍事的要衝でもあり、古くからこの地の覇権を巡り多くの血が流されてきました。

北にロシア、南西にトルコ、南東にイランという大国に挟まれ、またコ−カサス三国同士の関係も良好ではなく、非常にセンシティブな状況は今日も続いています。
山から下り、麓の村の食堂でハチャプリの食事。
今回は車での観光でしたが、、、できれば時間をかけて自分の足で歩いてみたい素晴らしい所でした。

車から外に出るのも辛い寒さに先が思いやられましたが、峠を北に超えるころには雲間から陽が射し、次第に青空が広がってきました。谷筋によって風の吹き方が異なるのは山の常、僕らの向かう先は幸い好天に恵まれているようです。

眼下遥かに見下ろすカズベキの村。壮観!
ふんわりした生地にチ−ズをのせて焼いたグルジア風のピザ、『ハチャプリ』は苦みを利かせた赤ワインとよく合います。

グルジアは、お隣アルメニアと並んでワイン醸造が盛んな土地。一説には赤ワイン製造の発祥地ともされているそうです。ブドウの種を除去せず、そのまま潰して醸造するのがグルジアワインの特徴だそうで、ソビエト時代にはモスクワの特権階級のたしなみであったとか。ワインショップでは豪華なセレクションからテイスティングをさせてもらえます。画像にポインタ−を当ててみてください。
一方でここは太古より文明が栄え、人類史において重要な役割を果たしてきた地域。マルコポ−ロもここを抜け、シルクロ−ドを中国へと向かったそうです。

文化、歴史という点でも魅力豊かなこの国、そして山岳部には鱒が泳ぐ川もあるとのこと。いささかシ−ズンには遅いようでしたが、10月半ば、グルジアへ出かけてみることにしました。
秋の旅行先を考えあぐねることしばらく。9月も末になるとモスクワには雪が舞いはじめ、どうもロシア界隈での釣りはもう厳しい気配。少し南でまだ暖かい旅先はないか、と調べていくうちに目にとまったのがコ−カサスの小国、グルジアでした。

かつてはソビエト連邦の一部を成していたこの地域。Overviewに触れましたが、ソビエト崩壊後もCISという経済協力体の一員としてロシアと緩やかな繋がりを保ってきました。(ただしアブハジア領土問題等、近年ではロシアと対立することも多く、2009年にはCISから脱退)
Fishy Trips
Georgia in Oct '16 - 1
トビリシの街歩きを一通り楽しんだあとは、北へ200qほどの距離にある大コ−カサス連峰の雄姿を見に日帰りドライブに。

首都を離れるとまもなく世界は一変し、牧畜国家らしいのどかな姿が見えてきます。
首都トビリシは人類最古の都市のひとつ。ペルシアやロ−マ帝国、帝政ロシアの支配を受け、戦いの舞台となった街でもあります。背後の丘のうえには立派な城塞が鎮座して街を見下ろしています。