意外に面白かったのは宿の浜でのイブニング。#16程のメイフライがハッチし、湖面にはたくさんのライズリング!

慌ててタックル持って駆けつけた僕、ライズの主はトラウトではなくグレイリング(写真にポインタ−を当ててみてください)だったのですが、ともあれ穏やかな湖面でライズを取る釣りは、阿寒湖の6月を思い出す楽しい時間でした。
そのころチビはチビで友達をみつけ、楽しく過ごしていたようです。






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早々見切りをつけたIgor爺、しきりにボ−トでのオクン(Perch)釣りを勧めてきます。

ええ、確かに、釣れましたよ20cmあるなしのパ−チどもが。まあ、チビに釣らせてやるぶんには悪くない相手ですが・・・
翌朝8時、汽車は次の目的地、Olnegorskに到着。ここはKola半島のほぼ中心部、6月のサ−モン釣行の際にも通過した小さな町です。

今回はそこから車で東へ一時間、Lovozero村へ。迎えの舟に乗り継ぎさらに一時間。湖に浮かぶ小さな島のロッジに向かいます。
おとぎ話に描かれるようなキノコ。
宿の周りは一面のキノコとベリ−の森。木の板で組まれた歩道を降りると、目の前は澄んだ水を湛えるLovozero湖。風は既に秋の気配濃く、初夏に僕らを悩ませた蚊はブユはおらず、快適このうえない水辺。今回の旅行最後の投宿地として、不満はありません。
前日の悪天候とはうってかわって、翌朝は雲ひとつない快晴。宿泊したSolovkiHotelも清潔で居心地よく、気持ち入れ替えて観光にでかけました。
大型の鱒も生息することで知られるこの湖。しかしそれをフライで狙える舞台は湖に流れ込む川に限られます。島にあるロッジからは船で移動し、インレットからは川を徒歩で遡りながら釣ることになります。

初日夕方訪れた川は、雰囲気はあるものの流れが弱く、ライズがない限り釣りにくそう。ガイドのIgorは過去にここで幾度も大きな鱒を捕った(そして喰った)と自信を持って話してくれますが、鱒が産卵遡上を始めるにはまだ少々時期が早い様子。いやだから、客がこれからフライ流そうって所に横からルア−ぶっこむのやめろってオッサンよ!

Lovozeroは200平方Kmの面積を持ち、コラ半島で四番目に大きい湖(170平方kmの霞ケ浦より若干大きい)、その中央に浮かぶ島ですから辿りつく道程もちょっとしたイベント。

ロッジの名前はRuskaya Laplandia。辺鄙きわまりない立地ですが、それゆえに好んで訪れる客もそれなりにいらっしゃる様子、なかなかしっかりしたお宿です。
夕方の舟で島を離れ、本土の町、Kemへ。
白海の真ん中に位置するソロブキ群島、ここにSolovetsky修道院が作られたのは15世紀後半のことでした。その地理的重要性からたびたび侵略の脅威にさらされたものの、この島はよくそれを防ぎ、ロシアの海防の一翼を担う要塞の役目を兼ねるようになります。

ソビエト時代には多数の政治犯が送り込まれ、強制労働の末この地に果ててゆきました。現在では静かな修道院としての姿を取り戻していますが、この地にしみ込んだ数奇な歴史を知ると、複雑な思いがよぎります。
森を降りて再度ヴェロモルスクの町へ。そこから次の目的地、白海に浮かぶロシア正教の巡礼地、Solovki島へは船での移動。

濃霧のせいで予定のフェリ−が出ず、別の町からでる小型船でのスシ詰め航海。そんな想定外の展開もありましたが、なんとか到着。
Fishy Trips
Karelia in August '16 - 2
Kemの町からは再び夜行列車でさらに北上、Kola半島へと旅を進めます。ロシアの鉄道は思いのほか時間に正確なことには驚かされました。チケットの購入はロシア鉄道のHPででき、支払いもクレジットカ−ドで完結します。

夜行列車のコンパ−トメントは二段ベットが二つ置かれた四人部屋。(左写真にポインタ−を当ててみてください)。広くはありませんがエアコンも効いた個室、各人に新しいリネンが配られ、ゆっくりと休むことができます。
観光というよりは巡礼の島。海風のなかを散歩する以外には特に見どころもありませんが、青く晴れ渡った空に慰められた一日でした。