いや、魚に罪はありません。ニジを毛嫌いするわけでもありません。しかしここはキルギス天山山脈、遙々ユ−ラシア大陸のどまんなかまでやってきて、北米原産のニジマスがお出迎えってのは如何なものか?このあとも釣れるには釣れたのですが、全てニジマス、そしてどれもアメゴサイズ。5番ロッドを振り回すぶんには、どうしようもなく不釣り合い(-_-;)

ま、旅は始まったばかり。お楽しみはこれからよ!と強引に自分を鼓舞する僕でした。





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このあたりで位置確認を。カザフの南、中国の西、地図中赤い矢印が指すのがキルギス。国土の40%が標高三千mを超える世界有数の高地国家。地図にポインタ−を当てて『世界の屋根』へと連なる地勢図もご覧ください。

有史以前より遊牧民が駆け抜け、匈奴、唐、モンゴル、ロシアといった大国の版図の一部を成した土地。そこを潤す川に鱒を探す旅、ロマンがあるじゃありませんか?
かわいい宿ネコにしばし足止め。
翌朝の冷え込みは厳しく、気温は2度。が、何やら眩しい窓の外を覗いてみると、おお、、、いい日になりそうじゃない!

オイ!コラ起きろ!釣りいくぞ釣り!!
かつてソビエト連邦の一部を構成した中央アジアの小国、キルギス。興味をもったきっかけは、この国から出稼ぎにきているモスクワのタクシ−運転手。お国自慢の中で触れられる清流、溢れんばかりに泳ぐ鱒。行ってみるしかないでしょう、話半分としても!

首都ビジュケクへは4時間半のフライト。ソビエト様式の計画都市はやや無機質な感じか。
早瀬と穏やかな流れが繰り返す文句のない川。しかし、反応が無い!不思議は困惑に、疑惑は次第に焦りへと変わってゆきます。そんなはずはないだろう!?

と、思ってたら、パシャッ!出た!やっぱおったじゃないのどれどれ、苦しゅうない、愛いやつめ、ホレ、もっと近う!さぞかしベッピンの、ゲッ!?ま、まさかの?
地図を読み解き、人に何度も道を尋ねてなんとか辿り着いたス−サミルの川。どうですこの雄大な景観、美しい流れ!あとはその住人たる秀麗な鱒にご挨拶するだけ。

が、反応がありません。これだけの流れ、留守なんてハズはなかろうと思うのですが、バイトも、ライズも見当たらず。ま、初日から焦る必要もないでしょう。冷たい風が吹き始めたのを頃合いに、この日は早々宿へと退散。
標高2200mの峠へと登るつづら折り。延々と平野の続くモスクワに慣れた目にはことさらダイナミックに映ります。
ビシュケク散策は旅行の最後にとっておき、早速レンタカ−で街を抜け出します。今回借りたのはNissan Patrol。ラダ−フレ−ムの本格四駆、乗り心地は悪いですが今回の旅行には心強い一台。既に走行距離は20万キロに迫る年季物、時折妙な音がするのが気になりますが?



 

Fishy Trips
Kyrgyz in Sept '18 - 1
峠を登ると眼下には、まず最初の目的地、Suusamyrの盆地。その向こう、南側には中国へと連なる天山山脈が雪を抱いています。これぞ中央アジア、シルクロ−ド浪漫!
街を抜け南西へ一時間も走ると、道は険しい谷の間へ分け入り、川とすれ違いながら高度を取り始めます。9月末、山の上で夏を過ごした羊たちが下界へ降りてくる通勤ラッシュは土地の秋の風情でしょうか。