遮蔽物の無い平坦な地形。風は方向を変えながら始終吹きすさび、ラインのル−プを乱してくれます。開始早々、忍耐を試される展開に・・・
一夜明け、生気を取り戻した我々。
これから一週間を過ごすキャンプ地。
今回お世話になったArcticTour、北極圏に短い夏が訪れる6月中旬からの2ヵ月、釣り人を案内しています。
まあいいでしょう初日からそう焦らずとも。
キャンプに戻り、ナスチャ姉さんの手料理を。
これが美味いんだわ、いや、お世辞抜きで!
グレイリングの魚影は濃く、40cm前後の良型揃い。引きも驚くほど強く、8番ロッドで相手にしても楽しさが損なわれることはありません。
ヨ−ロッパのグレイリングと比べると頭が丸く体色が濃いこの魚、ウラル山脈以東に生息するアジア系の亜種なのだそう。ロシアをヨ−ロッパとアジアに分断するウラル山脈、それが北極海に没する裾野に位置するこのフィ−ルドならではの釣り物と言えそうです。
夕方、風が落ちてくると水面に広がるライズリング。チビにも釣らせてやるべく頑張ってみるも、ルア−への反応渋く、敗退。
この夜はご近所、ネネッツ遊牧民のご家族が表敬訪問。シャイな男性陣の一方、お嬢さん方は明るくおしゃべり。けたたましく鳴るジェネレ−タ−をBGMに、賑やかな夜が更けていきました。
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川の名前はTaratoyaha。河口から15qほど遡ったあたりに設置したキャンプを基点に、上流下流、それぞれ異なるフィ−ルドを釣るという趣向。
初日のこの日は遠出せず、キャンプ地近くのホ−ムプ−ルから釣り始めることに。
このあたりでTaratoyaha川の概要を。
南から北へ流れるこの川、釣りのポイントは約10qに渡り点在しています。ベ−スキャンプは地図中5番の対岸、流程の丁度中ほどに位置します。初日朝に釣ったポイントは3番。ここから先、下流区間は平坦なツンドラが続き、2番より北は潮の干満の影響を受ける汽水域。1番はほぼ海水の入り江でシロクマ多く危険。基本近寄らないのだとか。
キャンプから南はゆるやかに丘陵が立ち上がり、川幅は狭くなります。西風を避けられるポイント多いと聞き、午後はそちら、6〜8番を試しに。
謎の足止め8時間。なんとか修理完了した車(戦車?)でいざ出発。村を出てしばらく行くと、あたりはじっとり水を吸った湿原。所々に川や沼地がありますが、そこはこのキャタピラ車の本領発揮、泥水を跳ね上げて爆走を続けます。
北極圏奥深いこの地域、白夜で明るいとはいえ夜更けはしんしんと冷え込みます。暖房などない室内を冷たい湿気が満たし、芯まで凍える修行の四時間。深夜2時キャンプ到着。一同昏倒。
川幅は20m程に狭まり、収束した流れは人が歩く程度の速度を生んでいます。これならスイングの釣りも可能。風が随分穏やかなのにもホッとさせられます。
俯瞰してみると、ん?んんん?流れ、弱い!?
川幅の狭まる箇所ではそれなりの流れが認められるものの、広く深いプ−ルはほぼ止水。これではサ−モンのようにスイングの釣りは成立しません。さてどうしたものか・・・
リトリ−ブの釣りで探っていたハマちゃんにヒット!なかなか力強い引きに早速のArcticCharを期待したものの、初物はArcticGreylingでした。
お世話してくれるのはメインガイドAndreyとそのカノジョNastcha、サブガイドDimaの三名。このチ−ムで通常7-8名のゲストを迎えそうですが、我々の訪問したこの週は僕ら4名だけ。気兼ねなく過ごせそうです。
冷えて湿った寝袋から這い出した僕ら、Nastchaの作ってくれた熱いカ−シャ(ポ−リッジ)が胃に沁みること・・・!
Arctic Aug '18 - 2
腹ごしらえを終え、タックルをセットアップ。今回のチョイスは12.6ft、7番のライトなダブルハンドと、9ft、8番のシングル。いずれも今はなきDaiwaUKの銘竿、Alltmore。
メインタ−ゲットは北極イワナ、ArcticChar。平均50-60cm、となると6番タックルでも良さそうな一方『しばしば強風が吹き、ある程度遠投が求められる』との事前情報を踏まえ、ややヘビ−なお道具立てとした次第。
用意されたテントは立って入れる立派なもので、スプリング式の簡易ベッド、暖を取るスト−ブまで揃った立派な部屋。文句なし。