釣りものはパ−チ(しかもかなり小さい)ばかりの様子ですが、大渋滞に巻き込まれる心配がない点では魅力的。お見せできるサイズのパ−チが釣れましたらご報告しますね・・・
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* Moscow
Volgaでフライフィッシングの対象になるのは、このグレイリング、そしてパ−チとパイク。グランドスラムと呼ぶにはなんとも寂しい組み合わせではあります。
環境的には鱒が住んでいても全く違和感なく、また局地的には放流された鱒が釣れる区域もあるようなのですが、ボルガの対象魚と言えるほど広範には分布していません。プ−チンさんの一声さえあれば、来シ−ズンにも間に合うと思うんですけどね。
今回は一泊二日、近郊の町Rjefに宿を取っての試験釣行でしたため、朝夕ベストタイムの釣りはできませんでした。次回はテント持参してキャンプするのもいいかな・・・
さて、そろそろ帰路につく日曜午後、モスクワの渋滞は強烈です。週末を田舎の別荘(ダ−チャ、ソビエト時代に国から支給されていた)で過ごす人達が多いため、モスクワからの出入りが悶絶混雑するのです。それも僕の出不精の一因となっているのですが、新たに芽生えたグレイリング愛のため、来シ−ズンも行ってみようと思っています。
ボルガはロシアのみならず、ヨ−ロッパ最長の大河でもあります。バルト三国との国境付近のヴァルダイ丘陵を水源にもち、遥か3,600q離れたカスピ海へと緩やか下る流れ。(日本で言うと、宗谷岬から佐多岬まで、直線で1,900q、道なりに2,700km)
『緩やかに』と言うには理由があります。この水源の海抜標高は僅かに220m。最終的に流れこむカスピ海は海抜-30mですから、その高低差は僅かに250m。日本の多くの川が1,000m前後の高低差を100q程の流程で下るのと比べると、日本全長よりも長いこのボルガ川の緩やかさ、ご想像頂けるでしょうか。
一方こちらは環状線の内側、自宅からも10q足らずのモスクワ川。流れはありませんが水質はきれいで、気持ちよくWadingができます。
車を停めてWaderを着込み、ロッドを繋いで水に入る。ただそれだけの事なのに、モスクワ暮らしに慣れてきた僕らには新鮮に感じられます。
川幅は30-50m。外から見るぶんにはわかりにくいのですが、流れに立ちこんでみると意外に強い流れを感じることができました。水の低い秋この時期にはこのように浅く、Wadingできる場所が増えますが、春から初夏にかけては雪解けの増水で周囲の牧草地まで冠水してしまうのだとか。
水運や灌漑には適したその地形、しかし釣り人、特にフライフィッシャ−にとっては正直釣りにくいフィ−ルドです。平坦で、ほとんど止水のボルガでは、フライ的なドリフトやスイングの釣りが困難。そもそも対象魚に乏しいのです。
そんなわけで手付かずでいたモスクワ近辺開拓、しかしそこに一筋の光明が!親しくなったフライショップ店員の情報によると、ヴァルダイ丘陵の源流域なら、ある程度の流れがあり、(鱒は不在ながら)グレイリングが狙えるとのこと。
とにかく広いロシア。首都モスクワの周りには山も海もなく、どこか釣りに出かけるとなるとまずは飛行機。広いがゆえに窮屈な暮らしです。
しかし近くに全く自然が無いかというと、そうゆうわけでもありません。ソビエト計画経済時代の名残りか、モスクワの街には緑や公園が多く、水に触れられる場所も随所にあります。
市内を貫流するモスクワ川はロシアの母なる川、ボルガの支流にあたり、夏の間はのんびり船旅を楽しむクル−ズ船が行き交います。
Volga
虫のハッチ次第ではドライフライでの釣りが楽しめるとのことでしたが、この日は比較的涼しく、また日中という時間帯のせいか、ハッチは低調。時折見えるライズも水面直下で小さなものを捕食している雰囲気でした。
#16のヘアズイヤ−を流すとまずまず良型のグレイリングが反応してくれました。
教えられたポイントはヴァルダイ丘陵東端、ズプツォフの近郊にありました。周囲には牧草地が広がる平坦な土地。、天然森の渓流とはいかないようですが、地図で見る川は適度に蛇行し、所々に浅瀬や淵も見えています。
モスクワから250q、3時間の道のりは楽ではありませんが、『飛行機なしで行ける釣り場』の開拓チャンス、9月頭、そろそろ秋風の吹くボルガ源流に出かけてみました。