穏やかならぬ僕の心中とはうらはらに、実に静穏なるVarzugaの川辺。冬には‐40度にも下がる極寒の世界の、つかの間の夏。




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実はそんななか僕には午前の部、一度、サ−モンがヒットしたのですが、惜しくもバラシ。一匹の魚が遠い状況下でのバラシは深く心乱してくれるものです・・・。

ともあれ、今回の僕は妻子をむりやり巻き込んで釣りにきている立場。ひとりリベンジに燃えてキャストを繰り返すわけにもいきません。午後の部は奥さんに釣ってもらい、僕は子守担当。しかしこれが楽じゃないんですね、、、なにせ川辺のヤブは蚊とブユの巣窟。自分で振り払えないチビは格好の餌食。川に立ちこめば虫は減るものの、幼児とはいえ15kgの重量。肩車Wading、長時間になると、こたえます・・・
皆が床についた後、僕ひとり夜勤。前日唯一のヒットを得ながらもバラシに終わった因縁のプ−ルへ。

するとその一流し目、ズシン!前回のバラシの原因が判然としないままでは、ラインプレッシャ−のかけ方にも迷いが出てきます。捕りたい!無我夢中で寄せた一本は65cmのメス。2日間で唯一のキャッチ。なんとか、この一本に救われた、これでまた、歩いてゆける!
そんなこんなで一本のサ−モンも仕留められないままに二日目が暮れてゆく始末・・・。大人だけでなら簡単にできることも、幼児がいると時間と労力は2倍、いや3倍! とはいえチビとて、好きで雨に濡れ、虫に刺されているわけでもなく、全ての責めは企画者であるこの僕にあると心得ます・・・

そう思うと、すこしは風船遊びでもしてやらんといかん雰囲気に・・・

6月中旬、この地方の短い夏の始まり。とはいえ気温は14℃と肌寒いままで、既に30℃に達したモスクワとは別世界の感。

ここからフィ−ルドまでは約500kmの道のり。ヘリで直線を飛べば一時間ですが、その費用は高額。8時間かけての陸路移動も旅の風情、と強がってみていいですか?

Kandalakshaまでまっすぐに南下、距離にして7割方は舗装路をゆく快適な2時間。しかしそこからの未舗装路が、シビレルのです。(写真にポインタ−を当ててみて下さい)
翌日は、Varzugaの村にある次の宿へ移動。残る4日間はそこを拠点に、ガイドなし、自分達だけでの釣り。最初の2日を泊まったSobachy Porog、,我々はRoxtonsを通さず比較的安価に滞在をしたわけですが、それでも2.5万円(一人一日)、夫婦で一泊5万円也。コラ半島の相場からすればお値打ち価格でしょうが、僕如きサラリ−マンには厳しいレベル。

そこで今回の旅行では、最初の2日間をガイド付きの高級ロッジで奥様に存分に釣ってもらう。そのうえで後半4日間はガイド無しの安宿に泊まり、僕はB司令とじっくり男の釣りをする、という作戦。ところが早くもシナリオのほころびは明らか。どうなる、後半!?状況好天を神に祈るなら、1674年築造の歴史ある木造建築、Dormition教会へ。

もうひとつの難題が、ハム奥様のキャスティング。そもそもダブルハンドに触るのも10年ぶり、スペイでのキャストは今回が初めてとなった奥様。いきなりのVarzuga、ぶっくけ本番と言えば贅沢にも聞こえますが、そりゃ苦労するのも当然です。

一日目午後、そして二日目午前を奥様の時間とし、みっちりチャレンジしてもらいました。利き腕側でのキャストはまずまず形が見えてきましはたが、狙うプ−ルを正しくカバ−するに、飛距離が足りないもどかしさも。
河口から20kmほど上流にあたるこの区間、Varzugaは200mほどの幅を持ち、ゆったり蛇行しながら流れます。ところどころで浅瀬、岩塊が流れに変化を与え、遡上魚を足止めするポイントとなっています。

高まる期待を抑えてフライを流してゆきますが、初日午前、反応は得られず・・・ 新しいフィル−ド、最初の一匹を捕るまでは、なかなか落ち着けないものです。
なんとか到着、まずは最初の二日間をお世話になる宿、Sobachy Porogにチェックイン。こちらは英国の釣り旅行代理店、Roxtonsがオペレ−ションのベ−スとしている宿。施設には文句のつけようがありません。Roxtonsに頼ればヘリでの送迎も含め、ガイド、ボ−ト付きの快適な釣りが約束される一方、お値段は4,000ポンド、約60万円/週からのスタ−ト。サラリ−マンには高い敷居です。

毎年6月第2週まではRoxtonsが施設ごと借り上げており、彼らを通さず予約は不可。今回は僕らは彼らが今年の営業を終えて撤収した3日後、6月19日から個人客として滞在する計画を組みました。一夜明け、釣りスタ−ト。変わり易い北の空も、この時ばかりは青空で送り出してくれました。
モスクワに移って半年。冬の厳しさは勿論のこと、釣り場も見当たらない巨大都市での暮らしは、なかなか辛いものがあります。

コラ半島第一の、そして唯一とも言える都市、ムルマンスクへはモスクワから北へ一時間半のフライト。降下する機体の窓から見えるのは眼下一面の森。ロシアの野生を、やっと身近に感じられることに胸高鳴る旅行初日です。

今回の釣行には我々家族と、遠路ブラッセルから飛んできてくださった旧友B司令の計4名。コラサ−モン手探り釣行、いよいよスタ−ト!
Fishy Trips
Varzuga in June '16 - 1
ガイドが言うに、今年は春の訪れが異常に早かった模様。結氷は例年より一週間早い4/28には解け、サ−モンの遡上を前倒ししてしまった気配。まともな釣りになったのは6月1週目までで、その翌週、つまり僕らが入る前週には、ほとんど釣りにならなかった、と不安な話をぶっこんでくれます。確かに水温は15度と高く、魚影は薄い様子。

サ−モン遡上数ではコラ半島随一。しかし当たってくるのは小型ブラウンか、グレイリングのみ。Varzugaに行けば釣れる、という甘い期待は捨ててかかる必要がありそうです。
下調べはしてきたつもりです。しかし釣りは、現場に立ってみないとわからないもの。その意味で今回の釣行では日程序盤、二日間をこの高級ロッジに投宿し、ガイドを付けて状況を学ぶことに。

川底の石には藻が付いていますが、ひどく滑るほどではなく、腰までの深さで立ち込める場所は随所にありそうです。