流れが単調で岩や淵の少ない我々のビ−トはいわば鈍行列車以外停まらない寂れた駅。一方Roxtonsのビ−トは地形変化に富み、全ての列車が停まる大きな駅のようなもの。今回のように水位が高くても、客二人に一艘の舟がついてポイントを巡ってくれます。その分価格は高く、一週間60〜90万円と一般サラリ−マンには厳しいレベル・・・。1/4の費用で四夏通うのをヨシとするか、4倍の費用で素晴らしい一夏を釣り、その先三年は余韻に浸って過ごすべきか、、、いや、そりゃ毎年行ければベストですけどねハイそりゃそうだ (-_-;)

釣れない時間を重ねるほどに悩み深まり、自己研鑽色が強まるサ−モンフィッシング。ほんと、苦労して時間と金を捻出し遠路はるばる出かけるに値しません!今まさにその世界に踏み込もうとするハマちゃんには、悪いこと言わんから引き返すよう、心からアドバイスしておきました。まだ曲げたことのない彼のWinstonは、ヤフオクで3万くらいにはなるはずですし。
間近に夏至を迎え、陽の沈まない夜を過ごすVarzugaの村。

どうにも壁を乗り越えられないサ−モン戦士達に、束の間の安らぎを・・・




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午後の気温は10度を超えるまでに上がり、水温も表層付近では5度近くまでぬるんできた模様。魚の活性上昇を期待し皆でみっちり流し続けますが、それ以降サ−モンは続かず。

サイズは小さいながら、トラウトやグレイリングは時折当たってくれるようになりました。それをもって状況好転、中盤戦へ向けての励みとしましょう。
しかし泣き言を言ってても始まりません。なにせ自分たちの船を持たない僕ら、夕方Denisの迎えが来るまでは自分達なりにポイントを探し、思考錯誤するほか、やることとて無いのです。

ここでもシンクティップを28ft繋ぎ、快適とは程遠い釣りを受け入れた僕に一本のサ−モンが報いてくれました。
一年振りの再会、漁師のDenisの船でVarzugaを渡り、対岸Kitsaを遡ります。

予想通りではありますが、こちらも盛大な増水中。昨年ならピクニックもできた河原(写真にポインタ-)は完全に水没しています。太い流れは両岸の灌木林にまで迫り、フライを触れる場所も限られる厳しい状況です。
いかに北極圏とはいえ、6月にもなって雪と氷の世界とは・・・ 爆釣劇の夢想がいきなり瓦解するのを感じつつ、8時間の道のりをVarzugaへ。

到着。一泊し、いよいよ釣り開始の朝。ボタン雪が舞う冷たい空、氷で覆われた岸、水温は2度。しかしこれでも我々は幸運であるとのこと。吹雪と流氷が川を覆った前二週のグル−プは、全く釣りできずに帰っていったのだとか・・・

確かに川に氷塊は流れておらず、魚も全くいないわけではなさそうです。
(写真にポインタ−を当ててみて下さい、初日に起こった唯一のドラマ、マイクパパの1ヒット!)
過去にない早い夏の訪れのせいで、記録的貧果に終わった2016年のVarzuga、その翌年、これほど極端に遅い季節の巡りを見ることになろうとは、、、。下のグラフはこの川で高級ロッジを運営しているRoxtonsの釣獲デ−タですが、2017年は前年をさらに下回る厳しい釣りになったことがわかります。僅か二度の訪問で、暑さと寒さ、その両極端を体験する不運に見舞われた僕とマイクパパ、遡上魚の釣りの宿命とはいえ、自分達の持ってなさ加減に笑うしかありません。一方で、悔しいながら認めざるを得ないのはRoxtonsの圧倒的釣らせっぷりです。この厳しい年でも、一人一週間につき平均14本を釣らせたというのは我々貧乏人の集う一般ビ−トでは絶対に考えられないことです。
釣り四日目。ここでいったん場所を変え、気分転換を図ってみます。昨年も一度訪問した近隣の支流、Kitsaへ出かけてみました。

地の果て感むんむん、相変わらず砂まみれのKusomeni村。阿部公房の『砂の女』、映画化するならロケは是非こちらで。
宿では主人のAnatolyと、料理担当のPashaの二人があれこれ世話を焼いてくれます。料理のレベルは相当のもので、土地でとれる食材、サ−モンは勿論のこと、野生のエルクやトナカイの肉、森のキノコやベリ−を使った食事を実に上手に作ってくれました。

宿には普通のシャワ−に加え、注文すれば別棟のサウナを暖めておいてくれます。(写真ポインタ−) 冷たい流れに終日立ちこんだ体をサウナでほぐし、晩飯を食べる時の幸せといったら・・・


この一件に励まされ、一同の士気は束の間高まったものの、初日その後、また翌二日目の釣りでも、生命反応は一切得られず。我々グル−プも、またこのPublicBeatに集う多数の釣り人達も一様に、黙々とキャストを繰り返すのみです。

気温は3℃、冷たい北風が心とキャストを乱してくれます。しかし救いは、ここから週の後半にかけて天気は回復に向かうという予報。確かに午後になると雲が晴れ、空には青空が広がってきました。

ロシアも二年目。ふらりと気軽に出かけられる釣り場もないモスクワに暮らす身には、夏の極北遠征が最大の楽しみ。昨年は若干シ−ズンに遅れ、高温と渇水に悩まされた経験を踏まえ、今年こそはベストコンディションのサ−モン釣りを!前年より二週間早め、6月3日からの10日間を今回の日程に充てました。

今回のメンバ−は、昨年ご参加頂き華々しい戦果をあげたマイクパパ、新規ご参加、初のサ−モン拿捕を狙うハマちゃん、そして僕の計三名。熟慮の末、ハム奥様とチビにはモスクワで留守番してもらうことにしました。

いざ参らん!極北の玄関口、Murmanskに降下する窓から見た衝撃の光景、右画像にポインタ−を当ててご覧ください。
Fishy Trips
Varzuga in June '17 - 1
釣り3日目、その時は僕にやってきました。

増水した川、太く深い流れの底を浚うため、シンクティップを二本継ぎ足したその先に結んだのは、、、巨大マドラ−ミノ−。サ−モン釣りのあるべき姿とはかけ離れた釣り方ですが、誰にも釣れない状況では人と違うことを試すのも必要かと。なんとか結果をだすことに成功しました。
この辺でお宿のご紹介を。

今回はVarzuga村の左岸、小さな集落にあるAnatolyのロッジを宿としました。一泊三食付きでのお値段は一人1.2万円程。施設の快適さを考えると十分納得できるチョイスです。

メインの客室はこの建屋の二階。
写真にポインタ−を当ててみてください。