フライフィッシングの世界へ

自然を観察し、毛鉤として模倣し、その出来栄えを魚達に直接問うことができる釣り。

新緑の渓、ゆらめく魚影。とっておきの毛鉤をそっと流れにのせれば、蝉の声も静まる一瞬の交錯。そんな極上の時間を楽しめるフライフィッシングの世界へ、ようこそ。



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フライ(毛鉤)

自然の中で魚達が食べている昆虫は多岐に渡り、それらに似せたフライを巻くのは知識と慣れが必要です。西洋の水辺で紡がれた伝統的なレシピも多数あり、それらを学びながら遠い水辺を想うも楽し。自分の創作したオリジナルレシピに魚が飛び出してくれれば、それもまた楽し!
一瞬の勝負

サカナの俊敏さは相当のものです。フライをくわえたその瞬間には、それが偽物であることに気づき、次の瞬間にはフライを吐き出して逃げてしまいます。そのチャンスを目で捉え、すかさずラインにテンションをかけて‘アワセ’をいれるにはかなりの集中力を要します。

羽虫に似せて

毛鉤をそっと落とし、流れに乗せる。それを本物の虫と思った魚を水面で掛ける。ドライフライと呼ばれる‘水面の釣り’は、中でも特に楽しいスタイルです。
フライキャスティング

重さのない、羽のような毛鉤をサカナの目の前にそっと、あたかも虫がフワリと落ちてくるように、自然に運んでやること。初めはうまくいかず大いに悩みますが、挫折と発見の繰り返しもまたこの釣りの魅力です。
ギリシャに起源をもつと言われるフライフィッシング。ビクトリア朝時代のイギリスで貴族階級の社交のたしなみとして技法が確立され、その後アメリカで庶民のスポーツとして広く普及したそうです。

日本には明治後半、英国人貿易商トーマス・グラバーらが栃木県奥日光で在日外交官や地元の有志と鱒釣りクラブを発足させたのが始まりだといわれています。


清流の鱒釣りに端を発し、今では大海の大物へとフライフィッシングはその地平を広げてきました。古くて新しいこの釣りの魅力は今もって深まるばかりです。
‘A river runs through it’

モンタナの雄大な自然の中に暮らす人々の陰と陽。厳格な父と それぞれの道を歩こうとする息子達の不器用な交流。この映画のなかで、三人が共通の情熱であるフライフィッシングをして川辺で過ごす時間は彼らの人生の接点ともいえる大切な役目を果たしていました。

大切な人との素直な対話ができる時間が少なくなりがちな現代だからこそ この映画が多くの人の心を捉えたのかもしれません。