平瀬の水深は50cm程、淵でもせいぜい1m弱。砂利がほどよく詰まった川底は滑ることも稀で、快適に釣りあがることができます。またすぐ脇には遊歩道があり、ここから狙えるポイントすらある、なんとも釣り易い川です。脇の斜面にはなだらかにひろがる牧場を眺めながらの釣り。いかにもチロルらしい風景といえそうです。
水温は9c。反応は上々。フライサイズは#14が丁度いい感じ。魚はブラウン3割、ニジ7割。平均25cm程であまり大きいものは見かけませんでした。宿を出る際
『30cm以上の魚はキッチンに提供してくれてもええよ』 と声をかけられたのですが・・・ つまり、そうゆうこと?
上流には万年雪を抱いた頂きが見えており、夏でもスキーを楽しむことができるそう(この雪は川の源流ともなっており、従って雪代の入る盛夏には釣りにならないこともあるようです)。僕らが訪れた9月後半には気温も落ち着き、澄んだ水が穏やかに流れていました。
Lanersbachから数キロ上流、Junsの集落を過ぎたあたりがいいだろうとの話。確かにこのあたりで川は牧場の脇を穏やかに流れ、入渓も遡行もやさしそうです。また、これを過ぎ、谷の最奥の村、Hintertuxに近づくと川は再び険しさを増し、山岳渓流の様相を呈してくる様子。今回は教わったとおりJunsの周りを釣ってみることにしました。
規模の小さいこの川、魚はほとんどが放流魚と思われますが30cm前後に育った個体はどれもきれいなヒレを持ち、しっかりと野生化している模様でした。
こちら前途有望な体つきの31cm。判定はクロですが、美しい体色に免じて今回は執行猶予、釈放しておきました。
- Back
'03 9月の釣行
チロル州のほぼ中心に位置するTuxの谷。イタリアとの国境をなすBrenner山地を縫うこの谷を潤してTuxbachは流れます。
インスブルックからA12をしばらく東に走り、一般道を南へ。Mayrhofenの村から山道を登るうち、谷の底にこの川が見えてきます。
地域のリゾートの中心であり、この川を管理するGasthof Forelleがあるのは、Lanersbach。この村に入る頃には道路と川の高低差は無くなり、車窓からせせらぎが眺められるはずです。