今回も好天に恵まれ、素晴らしい滞在をさせてもらえました。日本の野山はそこそこ歩いている父母にも、趣異なるアルプスの山歩きを楽しんでもらえた様子。そして僕らの再訪に嫌な顔も見せず(?)付き合ってくれたKalsbachの魚達にも感謝の気持ちで一杯です。
足もとを流れる水の冷たさ、風を読んで投げるフライ、そして手に伝わる魚の感触・・・、目や耳からだけでなく、体全身を通じて川を感じ、土地を知り、旅の記憶を残せるのはフライフィッシャーの特権といって良いでしょう。僕らはKalsの村と川、そしてそれをとりまく山々を、今も身近に感じられるような気がしています。
- Next (2018年再訪)
夕べの風には秋の気配も色濃く・・
昼勤では登山ガイド業も?
海抜3,798m、オーストリア最高峰、Grossglocknerの大岩峰。
残照輝く草原に影を落とす、
ザンクト・ゲオルグ教会。
締めくくりには上流域でも竿を振ってみました。絶壁に挟まれた渓谷の部分は産卵保護のために禁漁とされていますが、宿の前、牧草地を流れる一帯はOKとのこと。
こちらではほとんどがブルック。氷河代で幾分濁った流れからニンフに出たこの一匹は引き締まった顔立ちが印象的でした。
The 2nd visit - Aug. '05
前回訪問から丸二年、Kalsの村に再訪するチャンスが巡ってきました。日本から僕の父母を呼び寄せてスイスやオーストリアへドライブ旅行、ならばここKalsの絶景散歩も旅程に含まねば、と相成った次第。
アルプスの天気は夏でも不安定。曇天の山歩きというのは何とも恨めしいものです。前回の訪問では文句のつけようのない秋晴れに恵まれた僕ら。その記憶が脳裏で輝いているが故、今まで再訪をためらってきたのですが、ここは行くしかありません。運を(父母の)日頃の行いに任せて!
果たして到着の夜は雨のドライブを強いられたものの、一夜明けるとこの通り!爽快な夏空に恵まれました。釣りはともかく、今回は父母の添乗員という立場上、深い安堵の一息。
Kalsの宿、Taurerwirtは玄関まわりが改装され、一段と豪華な雰囲気に。
水温は7c。水生昆虫の流下は確認できませんでしたが、時折瀬の中を走る魚影もチラホラ。何はともあれドライフライで勝負です。
流れの中を釣るハムにはニジマスが、岸際をつつく僕には主にブラウンが竿を曲げてくれました。
朝食を終え、父母を渓谷散歩に見送った後、僕らは村を幾分下って魚釣りへ。朝の気温は11c、フリースの一枚も羽織りたい冷え込みです。そうは言っても前回訪れた9月には早朝の気温は0c、山には初冠雪、木々の紅葉にも霜が降りていました。比べれば今はこれでも夏真っ盛り。文句は言えません。
北米でもよく見かけるFireweedの花が澄みきった風に揺れていました。
夏場は氷河の雪解け水で濁り、釣りにならないことも多いと聞いていたのですが、この日の様子はご覧の通り。少なくとも朝のうちと夕方遅くには水は澄み、問題なく楽しめそうです。川が濁る午後の間はのんびり山歩きを楽しめば、アルプスの一日欲張りプランの完成です。
Bretterspitzeの頂きを奥に配した見覚えある景色。眩しい陽光が川を明るく照らしています。さて、お魚さんのご機嫌も麗しゅう?